LEE'S ブログ

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根管治療に関する記事を中心に、専門的ながら大切なことを治療例をまじえて、一般の方にもわかりやすく解説しています。ありきたりな内容ではなく、欧米の論文を精読した内容をベースに信頼性のある有用な情報を発信するよう努めています。(*記事の元になっている引用文献を記載しています)疑問に思ったことは徹底的にリサーチします。学会参加報告記や、お知らせ、プライベートのくだらないお話もごくたまに、綴っております。

歯のひび割れ / 根管治療前にひびが見つかる場合、治療がはじまってみつかる場合

皆様こんにちは。李です。

今日は患者様からのお問い合わせがとても多い、歯のひび割れの診査について整理してみようと思います。

 

『ひびがあるかもしれないと言われた』

『ひびがあるから歯が長持ちしないかもしれないと言われた』

『ひびがあるから抜歯しか手が無いと言われた』

 

たしかに、根に入った深いひびの根本的な治療は不可能です。

ひびが入った根っこをそのままにしておくと、悪い事ばかりおきます。

たとえば、腫れを繰り返す。嫌な匂いがする。違和感がある。痛みがある。などなど。

根のひびという感染源があるわけですから、周りの骨もとけつづけてしまいます。

歯周病も併発するという事です。

 

でも、疑いだけで歯を抜きたくはないと思います。

確実にひびがある、ということを知るにはどうしたら良いでしょうか?

CTを撮ればひびは100%検出出来るのか?このブログで何度もお話していますが

CTでひびは100%検出できません。

 

疑い、で歯を抜きたくない場合は、目でみて確認することです。

最初からひびが目で確認出来れば良いのですが、わからないことの方が多いのです。

そういった場合は、治療を進めていくしかありません。

治療の途中でひびの検出をおこなっていくのです。

治療費用が発生しますし、途中でひびが見つかった場合には治療費用が無駄になってしまいます。

それが嫌だなと思われる場合は、ひびの疑いの段階で抜歯をするのが良いでしょう。

難しい判断です。

 

今日は①治療前(根管治療初診時)にひびが見つかったケース、②前処置の段階でひびが見つかったケース、③根管治療の1回目でひびがみつかったケースをご紹介していきます。

 

①根管治療初診時にひびが見つかったケース

 

このケースは歯肉が退縮して、クラウン下の歯の部分が見えています。

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通常の初診でおこなう歯周ポケット検査で部分的に深いところがありました。

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ひびの染め出しをおこない、ひびが目で確認出来ました。

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②前処置の段階でひびが見つかったケース

症状はありませんでしたが、銀のクラウンのすきまから虫歯になっていたため、治療着手となりました。レントゲンでもひびをうたがう陰はありませんでしたが、歯周ポケットはやや深い状態でした。クラウンで歯がおおわれているため、見た目で異常は検出できませんでした。

 

術前の状態

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土台まではずし、虫歯を取り除きます。歯に薄い部分があることがわかります。

 

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ひびの染め出しをすると、ひびが検出されました。浅いひびでしたら、削ればなくなるため少し削ってみましたが、ひびはなくなりませんでした。このケースは根管治療には入らず、前処置で治療終了、抜歯となっています。

 

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③根管治療の1回目でひびがみつかったケース

このケースは術前検査で深い歯周ポケットがあり、レントゲン検査でもひびの疑いが高かった症例です。費用がむだになるかもしれませんが、可能性が0パーセントでないのならと、治療をご希望されたため、着手いたしました。

 

通常通り前処置で土台まではずして行き、虫歯の除去をおこないひびの染め出しをおこないます

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前処置では根管の入り口までの染め出しとなり、この時点ではひびは検出されませんでした。

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根管治療にはいり、根管の古い充填材をはずした状態で染め出しをおこなうと、ひびが検出されました。この時点で残念ながら抜歯となりました。抜歯した歯の根にはひびが根の先端まで広がっていました。

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このようにひびの検出はどの段階で検出されるかどうかは治療しないとわからないことが多いのです。

また、根管治療ではひびが最後まで検出されず、外科処置の時に検出される場合もあります。

また、目で確認出来ない場所にあるひびは最後までわからず、抜いてはじめてひびが目で確認出来たということもあるようです。

 

このようにひびの状態は歯によってそれぞれです。

ですから、お電話で、『ひびがあると言われたけど残せますか?』というようなお問い合わせに、正確な事をお答えする事はできないのです。

 

疑いの段階で抜歯をすることもひとつの妥当な選択肢であります。

一方、大切な歯のことだから、可能性がゼロでない限り治療をおこないたい場合、または残せないという決定的な証拠をみないと抜歯のふんぎりがつかない場合には治療をお勧めいたします。

 

歯の細菌汚れ、歯垢(プラーク)とセルフケアのお話

皆様こんにちは。李です。

最近ブログの更新ペースが遅くなっています。なるべく月に2回は更新したいと思っていますが、なかなか….

 

さて、今日は歯の周りにこびりつくプラークのお話をしようと思います。

プラーク、歯垢、バイオフィルム、いろいろな呼ばれ方をしていますが、これらはほぼ細菌の塊です。

虫歯、歯周病、お口の中の2大疾患のメインの原因はこの細菌の塊です。

歯の表面にこびりつき、エナメル質を溶かして歯に感染するのが虫歯のはじまりです。

また、歯ぐきの溝のなかに住み着くと歯周病の原因になります。ですので定期的に取り除かないといけません。

 

毎日の歯のお手入れ(歯みがき、フロス、歯間ブラシ)は予防にとても大切なのです。

そして、どんなに念入りに日々のお手入れをしていても、定期的なクリーニングは必要です。

お手入れだけで完全にすべてのプラークを取り除く事は不可能です。

予防のプロの衛生士によるメンテナンスもとても大切です。

 

さて、前置きが長くなりましたが

患者様のセルフケアの改善に、リーズデンタルクリニックは真剣に取り組んでいます。

歯の長持ちのために本当に大切だと思っているので、真剣にときには厳しくチェックや指導をおこないます。

 

リーズデンタルクリニックにいらっしゃる患者様で歯の事を軽く思っている人は一人もいません。

自分の歯を少しでも良い状態で長く使いたいと思っていらっしゃるからこそ、わざわざ調べて来てくださっています。

お話を聞いてみると、歯みがきやフロス、歯間ブラシも使って時間をかけて歯のお手入れをしている方がほとんどです。けれども、初診で検診をおこない歯の写真をとってお見せするのですが、皆さんみがき残しの多さにショックをうけて愕然としてしまいます

一生懸命やっているのに、汚れがとれていないのですから

 

歯のお手入れに関しては道具の使い方、当て方などが的確でないと、汚れが取れていない事が多いのです!!

 

実際に例をお見せします。

某有名な電動歯ブラシ使用、糸ようじ(柄がついたやつ)をご使用の患者様。

歯みがきは時間をかけて気をつけておこなっています、とのことでした。実際は。。。

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歯と歯肉の境目を器具でなぞると、プラークがたっぷり

当てたいところに、歯ブラシがあたっていないのです。糸ようじもうまく使えていません。

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こちらの患者様もデンタルフロス使用、歯と歯肉の境目を意識して毎日磨いてる。

歯のケアは気をつけていて短い間隔でのメンテナンスで歯科医院に通っていますとのことです。 

実際検診で歯を見ていくと、、、、、 

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ごっそりと、プラークがとれます

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かなり歯に気をつけてセルフケアをおこなっている方に、これをお見せすると

本当にびっくりされ、がっくりと落ち込んでしまう事もあります

 

こちらの患者様はセルフケアがお上手です。でも、かぶせもの(クラウン)に段差があると、

気をつけてお手入れしても、汚れがのこります。どこに残っているか、わかりますか?

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ココです。クラウンの段差の部分にプラークがこびりついています。

こういう部分はよほど意識して毛先を当てない限りはお手入れが難しいのです。

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このような状態をお見せすると、患者様はショックを受けてしまう事が多いのですが

改善するためにも現状把握は大切です

セルフケアの練習で、この状態を改善して行きます。

写真も定期的に取り比較していきますので、患者様は改善しているのを見ると安心されます。

精密な治療も大切です。セルフケアはもっと大切です。

歯の健康、長持ちのために欠かせないセルフケア、心配な方は一度検診にいらしてくださいね

 

 

PESCJ卒業後の学会 AE(Academy of Endodontics) in ソウル

こんにちは。李です。

先週末は2泊3日で、韓国のソウルに行ってきました。

Penn Endo Study Club in Japan( PESCJ)の研修が終わった先生達のその後の勉強、研鑽の場である

AE(Academy of Endodontics)という学会に参加するためです。

AEでの発表は認定医試験にもなっており、PESCJを卒業した先生方が次なるチャレンジのために試験を受けるという、発表者側にとってはものすごく緊張する学会なのです。

今回は初の海外開催ということで、以前から楽しみにしておりました

今日はその報告をしたいと思います(メインは食日記となっています)。

 

金曜日にソウルにむけ出発いたしました

久々の飛行機でテンションがあがります旅行の時は、行くまでが一番わくわくしてしまいます

今回は学会会場となっているホテルへ全員宿泊しているようです。南大門すぐ近くのホテルでとても綺麗でした

土曜、日曜と2日間の学会のため金曜夜に皆様ぞくぞくと到着されました。

学会の度に私たちPESCJ3期生は同期会をおこないますが今回は飛行機の遅れなどで集合時間がバラバラになり、中止となってしまいました

変わりに、インストラクターの先生方と合流させていただき近くの屋台へ。

ソウルには何度もきていますが、屋台の食事は初めてでした。

いつも気になってはいましたが、なかなか食べる機会がなかったのです。

 

観光客、地元のサラリーマンで活気にあふれています。

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たくさんの食材が並んでいて、ここから選んで、韓国のオモニが手早く調理してくれます。

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ビールやマッコリを飲みながら、なかなか旅行気分を満喫できました

飲み物や食事を運ぶのはセルフサービスで、それもまた楽しかったです。

お味はというと。。。美味しいものもあれあば、いまいちな物も

でも雰囲気が楽しかったので満足です!

 

翌日からはまじめにお勉強です。

発表された先生方はこの日に向けて相当な準備をされていますので、とても完成度の高い発表を聞く事ができて勉強になります。

普段あまりなじみのない分野の発表は特に勉強になり、早速クリニックで取り入れようというアイデアもわいてきます。学会は本当に良い刺激になります

2日目夜は参加者全員でのオフィシャルな懇親会です。

楽しみにしていた韓国焼き肉

いい具合にさしが入った赤みのお肉、やわらかくて本当〜に美味しかったです。

お肉のおかわりもしちゃいまして、思う存分堪能しました

 

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韓国名物、焼酎(チャミスル)のビール割を作っていただき、みんな大歓声でした

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泡立ちが半端なかったです。見事なワザでした

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皆で一気に飲み干し、宴会っぽい雰囲気で盛り上がりました

このようにAEの時は昼間は真剣に勉強、そして夜はいつものPESCJより少しリラックスした雰囲気で

メンバーの先生方と親交を深めるのです。

 

 

 

 

根管治療後の土台の重要性 / 細菌が入らないために

皆様こんにちは。9月に入りあっというまに中旬です。

すっかり涼しく過ごしやすい季節となりました 夏が暑かっただけに嬉しいです。

さて、今日は根管治療が終わったあとの土台の重要性について症例をみながら解説していこうと思います。

 

日々歯の治療をしていて(根管治療に限らず虫歯治療も)、治療後のトラブル、(たとえば治療後も症状が改善しない、虫歯の再発や、詰め物被せ物が外れるなど)防止のために本当に大切だと痛感することがあります。

それは封鎖です。しっかりと密封すること、歯と材料の間に隙間がないことです。

 

隙間があると、唾液やプラーク(歯垢)からの細菌が歯の内部に入り込む通り道になるし、それが原因で虫歯にもなります。

また根の中に細菌が侵入すると根管治療をした歯も病気が再発します。細菌がどんどん繁殖するような場合は、嫌な匂いがしてきたり、治療で詰め物をはずすとぐちゃっとしています

 

スキマから銀歯がゆるみ、はずしたところ。虫歯になり、ぐちゃっとしている状態。

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たとえば、食品のことを考えてみてください。食品の保存でも密閉することって大切ですよね?真空パックになっているものは腐らないです。全ては細菌が関わっていて、細菌が入らない環境だと腐りません。

虫歯は、歯に細菌が感染して歯を変性させる病気なので、腐るという言葉があてはまるかもしれません。

隙間ができない精密な封鎖の治療で細菌が入らないような治療をすることが本当に大切なのです。

 

以前にもどこかで書きましたが、根管治療では

根管治療→細菌を取り除く治療

封鎖の治療→新たな細菌や細菌の栄養源が入らないようにする治療(土台やその後のかぶせもの)

 この二つが根管治療の要です。

虫歯治療では細菌をとることと封鎖の治療がセットになっていますが、考え方は同じです

 

では、どうすればぴっちり密封できるのか?

下の症例で土台の治療(封鎖)をどのようなところを気をつけているのかを見て行きましょう。

 

歯科材料は日々進化しており、現在土台の材料としては接着性レジンを使用した接着の治療が主流です(欧米では)。

接着というのは歯にくっつきますから、一番封鎖性が高いです。でもアロンアルファなどの接着剤と同様、ぬれた表面や、汚れている表面にそのままおこなうと、接着は失敗します。

当院では根管充填後、そのまま土台の治療になります。なるべく早く封鎖し、細菌が侵入するチャンスがなるべくないように、という考えからです。

 

根管充填直後。

根管充填で使用する材料が歯の表面にベタベタくっついています。

この状態で接着の操作をおこなうのはマズイです接着がうまくいかず、密封出来ません。

 

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いくつかの器具を使用しながら歯の表面を綺麗にします。唾液にぬれた状態での接着操作はもってのほかですから、ラバーダムをかけて顕微鏡下でおこなうのが理想的です。

たまに、エアーにも水がでることがあり、その場合は一からやり直します。

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接着修復でレジンコアを填入したところ。

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よく、土台のダツリ(はずれる)ということがありますが、接着が成功している場合、すぽんと脱離することはありえません。まるまるはずれるということは、接着がうまくいっていないのです。

接着操作は細心の注意を払っておこなわないといけない、デリケートな治療です。

そしてこの接着の治療を精密におこない歯の表面を密封すること、これがその後のトラブル予防にとっても重要なんです

 

 

 

根管治療の診査の重要性〜症例をみながら〜

こんにちは、李です。

8月も今週で終わりですね。あっという間でした。

それにしても暑い夏でしたね……(昨日今日は涼しく、エアコンつけずに過ごせるのがうれしいです)

今年の夏は、暑かったことが一番の思い出です

 

さて、今日もまた根管治療のお話をしたいと思います。

前回は根管治療の初診でどういった検査をするのか、についてお話しました。

今日は、具体的に1症例をみながら複数の検査をおこなうことの重要性をお話していこうと思います。

根管治療専門医がおこなう検査手順をふまずに、診断をしてしまうと(たとえば視診とレントゲン検査だけとか)誤診につながることもあり、必要のない歯に根管治療をして、でも治らない、なんてことが起こってしまう可能性もあるのです。

 

こちらの症例は、はぐきにニキビのようなものができた、ということで来院された患者様です。

その他に痛みなどの症状はありません。

右上6番という奥から2番目の歯のちょうど真下にぷっくりと、膿みの出口(フィステル、サイナストラクトなどといいます)ができています(青→)。

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この膿の出口は歯の根っこの病気(根尖性歯周炎)ができているときに見られる所見の一つです。

ということで、レントゲン検査をおこなってみると

 

奥から(左から)2番目の6番という歯の遠心根という根の周りに黒い陰(根の病気の典型的なレントゲン所見です)があります(赤→部分)

 

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ここまでの検査①視診②レントゲン検査だけで判断すると(6番の歯の直下に膿の出口、6番の遠心根に黒い陰)、

奥から2番目の6番が膿の出口の原因、根っこの病気があるのは6番だと思ってしまう可能性が高いです。

6番は根管治療がされてない、神経が生きているようにみえる歯だけど神経が死んでしまって中でくさっているんだな、と言う風に考えるのです。

根管治療を専門的に学ぶ前の私だったら、この2つの検査だけで6番が 原因の歯であると診断していたと思います

 

でも他にもおこなうべき検査があります。

歯をコンコンと叩いて反応をみる打診、歯肉に触れて反応を見る触診、そして神経の知覚反応をみる温度診歯周ポケット検査などです。

打診、触診ともに反応はマイナスでした。では温度診は?

ということで原因と思われる6番に冷たい刺激を与えると、反応があります。数回おなじように確認しても反応は(+)。

つまり6番の歯の神経は生きている可能性が高いという事です。

これは膿の出口の原因は6番じゃないぞ、ということになり、

 

このように、膿の出口に目印を挿入してレントゲン撮影をおこなうと、

 

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レントゲンではこのようにうつります。(6番のとなりの7番の根っこの先にたまった膿が6番の真ん中当たりに出口を作っていたのです)

 

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そして7番は神経の知覚検査でも反応は(−)でしたので、この6番のところにできた膿の出口は診査の結果、一番奥の7番が原因であることがわかりました。

もしも、視診とレントゲンだけで診断していた場合は、6番が原因と誤診し、必要のない治療をすることになり、

最悪のケースは6番の健康な神経を犠牲にしてしまう可能性もありえたということになるのです。

 

以上、症例を見ながら診査の重要性をご説明いたしました。

初診でおこなう診査診断は 本当に本当に重要なのです

 

 

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