根管治療に関する記事を中心に、専門的ながら大切なことを治療例をまじえて、一般の方にもわかりやすく解説しています。ありきたりな内容ではなく、欧米の論文を精読した内容をベースに信頼性のある有用な情報を発信するよう努めています。(*記事の元になっている引用文献を記載しています)

追記:多くのブログ記事の執筆当時からだいぶ時間が経過しております。最新の研究をもとにした現在の見解や治療のトレンドなどをアップデートできておりませんので、記事によっては当時の見解から変化している場合もあります。(2022.12.28)

根管治療後の土台の重要性 / 細菌が入らないために

皆様こんにちは。9月に入りあっというまに中旬です。

すっかり涼しく過ごしやすい季節となりました 夏が暑かっただけに嬉しいです。

さて、今日は根管治療が終わったあとの土台の重要性について症例をみながら解説していこうと思います。

 

日々歯の治療をしていて(根管治療に限らず虫歯治療も)、治療後のトラブル、(たとえば治療後も症状が改善しない、虫歯の再発や、詰め物被せ物が外れるなど)防止のために本当に大切だと痛感することがあります。

それは封鎖です。しっかりと密封すること、歯と材料の間に隙間がないことです。

 

隙間があると、唾液やプラーク(歯垢)からの細菌が歯の内部に入り込む通り道になるし、それが原因で虫歯にもなります。

また根の中に細菌が侵入すると根管治療をした歯も病気が再発します。細菌がどんどん繁殖するような場合は、嫌な匂いがしてきたり、治療で詰め物をはずすとぐちゃっとしています

 

スキマから銀歯がゆるみ、はずしたところ。虫歯になり、ぐちゃっとしている状態。

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たとえば、食品のことを考えてみてください。食品の保存でも密閉することって大切ですよね?真空パックになっているものは腐らないです。全ては細菌が関わっていて、細菌が入らない環境だと腐りません。

虫歯は、歯に細菌が感染して歯を変性させる病気なので、腐るという言葉があてはまるかもしれません。

隙間ができない精密な封鎖の治療で細菌が入らないような治療をすることが本当に大切なのです。

 

以前にもどこかで書きましたが、根管治療では

根管治療→細菌を取り除く治療

封鎖の治療→新たな細菌や細菌の栄養源が入らないようにする治療(土台やその後のかぶせもの)

 この二つが根管治療の要です。

虫歯治療では細菌をとることと封鎖の治療がセットになっていますが、考え方は同じです

 

では、どうすればぴっちり密封できるのか?

下の症例で土台の治療(封鎖)をどのようなところを気をつけているのかを見て行きましょう。

 

歯科材料は日々進化しており、現在土台の材料としては接着性レジンを使用した接着の治療が主流です(欧米では)。

接着というのは歯にくっつきますから、一番封鎖性が高いです。でもアロンアルファなどの接着剤と同様、ぬれた表面や、汚れている表面にそのままおこなうと、接着は失敗します。

当院では根管充填後、そのまま土台の治療になります。なるべく早く封鎖し、細菌が侵入するチャンスがなるべくないように、という考えからです。

 

根管充填直後。

根管充填で使用する材料が歯の表面にベタベタくっついています。

この状態で接着の操作をおこなうのはマズイです接着がうまくいかず、密封出来ません。

 

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いくつかの器具を使用しながら歯の表面を綺麗にします。唾液にぬれた状態での接着操作はもってのほかですから、ラバーダムをかけて顕微鏡下でおこなうのが理想的です。

たまに、エアーにも水がでることがあり、その場合は一からやり直します。

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接着修復でレジンコアを填入したところ。

DSC02800

 

よく、土台のダツリ(はずれる)ということがありますが、接着が成功している場合、すぽんと脱離することはありえません。まるまるはずれるということは、接着がうまくいっていないのです。

接着操作は細心の注意を払っておこなわないといけない、デリケートな治療です。

そしてこの接着の治療を精密におこない歯の表面を密封すること、これがその後のトラブル予防にとっても重要なんです

 

 

 

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