LEE'S ブログ
根管治療に関する記事を中心に、専門的ながら大切なことを治療例をまじえて、一般の方にもわかりやすく解説しています。ありきたりな内容ではなく、欧米の論文を精読した内容をベースに信頼性のある有用な情報を発信するよう努めています。(*記事の元になっている引用文献を記載しています)疑問に思ったことは徹底的にリサーチします。学会参加報告記や、お知らせ、プライベートのくだらないお話もごくたまに、綴っております。
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根管治療の前に大切な虫歯のチェック
こんにちは。李です。
すっかり寒くなってきましたね。風邪が流行っているようです。
皆様気をつけてくださいね
さて、前回は根管治療前や、根管治療中のひびのチェックについてお話ししました。
今日はもうひとつの重要な確認事項、『根管治療する歯に虫歯がのこっていないどうか』についてお話しします。
根管治療とは歯の根っこの病気(正式名:根尖性歯周炎)にならないようにする、またはすでに病気ができている場合は、治すため治療です。
病気の原因は細菌なので、根の中の殺菌をすることがメインの治療内容です。
でも、根の中をいくら殺菌したとしても、歯に虫歯があったら、そこは細菌の巣窟ですから、虫歯からいつも細菌が根の中に入りやすいということです。
つまり、虫歯の見落とし、取り残しは、根の中に細菌がはいってしまう原因になり、根管治療の成功に大きくかかわる要因の一つなのです。
根管治療前処置では、この虫歯のチェックをしっかりおこない取り残しがないように注意します。
実際どのようにおこなっているか、症例をいくつか見て行きましょう。
こちらの歯は他の歯科医院での根管治療途中の歯です。痛みがおさまらず、治療の終わりがみえないため、リーズデンタルクリニックにお越しになった患者様です。
白い仮ぶた剤をはずすと茶色い部分(虫歯)が見えます。
虫歯の染め出し剤で虫歯の部分だけを識別し、虫歯の取り残しが無いよう慎重に虫歯を除去します。
染め出し後。染めて虫歯をとる、この作業をピンクにそまらなくなるまで何回かくりかえします。
虫歯を全て取りのぞいたところ(歯肉の切除もおこなっています)
止血をして、隔壁(唾液が入らないようにするための堤防)が完了したところ
ここまでの前処置が終了して、はじめてラバーダム防湿をおこない根管治療をはじめることができます。
もう1症例です。まず銀のインレーをはずすところからスタートです。
はずして虫歯を染め出しています
青い染め出しはひびの染め出しです
虫歯を取り除き、ひびのチェックも完了。歯もだいぶしっかり残っています。
隔壁を終えたところ(ほとんどの症例で隔壁が必要な事が多いです)
以上が根管治療前処置でおこなっている虫歯のチェックです。
『虫歯を完全に取り除くこと』は歯の治療では守られないといけない基本中の基本です。
これがしっかりとおこなわれていないことが結構多いのです。
このことが守られないと根管治療の成功もありえません。