LEE'S ブログ

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根管治療に関する記事を中心に、専門的ながら大切なことを治療例をまじえて、一般の方にもわかりやすく解説しています。ありきたりな内容ではなく、欧米の論文を精読した内容をベースに信頼性のある有用な情報を発信するよう努めています。(*記事の元になっている引用文献を記載しています)疑問に思ったことは徹底的にリサーチします。学会参加報告記や、お知らせ、プライベートのくだらないお話もごくたまに、綴っております。

ヨーロッパ歯内療法学会(ESE)2013報告②学会編

こんにちは。李です。
昨日無事に帰国しました日本はだいぶ涼しくなったのですね

さて前回に続き、ヨーロッパ歯内療法学会2013(Europian society of Endodontic dentistry)報告〜学会編〜をお届けします。
記事は後半は学会の内容についてですので、だいぶ専門的な内容になります
つまらなかったらとばしてくださいね

学会会場はリスボン中心地から少し離れた海沿いのコンベンションセンターで行われました。
まず最初に、アメリカ歯内療法学会(AAE)とくらべて、学会のロゴマークが可愛くおしゃれでさすがヨーロッパといった感じです。

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参加者たちはカジュアルな服装(短パン、ジーンズ)が多かったですが、一方、蝶ネクタイをしめているような人もちらほらでした。

レジストレーションのブースです。名前を告げて、学会セット一式をもらいます。
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学会セット一式(私が勝手に命名しているだけです)とは、学会中に使用するバッグと、その中に、ノート、ペン、プログラムの冊子、名札、ランチやパーティーのチケット等々です。

今回のバッグはリュックでした。リュックなんて初めてで珍しいと思いました。プログラム関連は3冊入っており、しっかりした本になっていて、なかなかお金がかかっている感じがしました。

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名札に入る、ポケットサイズのタイムテーブルもお役立ちアイテムです。アメリカの学会のものより、やっぱりデザインがオシャレだと思います。
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どこで何時にどのレクチャーが行われているか一目瞭然です。
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事前に学会のスケジュールはiphoneアプリでチェックすることができたので、お目当てのレクチャーを前もってリストアップしておきました。今回のESEではレクチャーが行われるホールは3つでした。

さて、ここからはレクチャーの内容についてです。

私が興味があったのは、今一番ホットなトピックと思われる『歯髄の再生』についてです。
従来からの再生療法考え方で、 根管内への幹細胞の移植をおこなう、cell based (cell delivery)テクニックと、細胞の移植をおこなわない cell free(cell homing) テクニック(revascurarizationの手技はこちら)の比較をわかりやすくまとめており、知識の整理にとてもよかったです。
歯髄組織の再生という目的において、cell based (cell delivery)テクニックは、従来からのtissue engineeringのコンセプトのもと、in vivoの実験で良い結果を出していますが、コストの問題があります。
cell free テクニックはコストは低いですが、in vivoの結果が弱いです。ただ、現在報告されている、cell free テクニック(revascurarization)は、歯髄の再生はおこりませんが、歯根の成長という目的は達成されます。『repair 修復』という風に言われていました。
臨床をおこなうものとしては組織学的に歯髄の再生にこだわらずとも、歯根が成長して将来予想される歯根破折のリスクを減らすことができれば、それで十分だと思います。
レクチャーの中でもしきりにコストのことに触れておりましたので、高額費用でcell basedテクニックをおこない組織学的な歯髄の再生を達成するよりも、non cell based テクニック(revascurarization)で歯根がの修復が起これば十分ではないかと思います。
cell basedの 歯髄の 再生では、日本の研究(Dr. Nakashima)の論文がしきりに引用されておりました。
cell freeテクニック(revascurarization)では、こちらも日本の先生(Dr. Emi Shimizu)が最近発表したJOEの論文、が頻繁に引用されておりました。
この論文は私も読んでますが、 revascurarization をおこない、歯根成長したのですが、歯頸部の歯牙破折で抜歯になったケースを組織切片観察しております。一読の価値有りですので、よかったら根管治療がお好きな歯科医の方は読んでみると良いと思います。

Emi Shimizu. Clinical, Radiographic, and Histological Observation of a Human Immature Permanent Tooth with Chronic Apical Abscess after Revitalization Treatment. JOE2013

次に聞きたかったトピックは私がPESCJで認定医試験のときにプレゼンのテーマに選んだ『歯根象牙質への接着』についてでした。
スピーカーは、ブラジルの女性のDr. Marcela Crrilhoで、根管治療専門医ではないのですが、象牙質の接着について多く研究されていると紹介されていました。
とても若くてセクシーな美人で、さすがブラジルという感じの、ボディラインの強調された、背中が大きくあいた服装で登場してました

レクチャーの内容はというと…..
私は自分のプレゼンの時にかなり調べたおして臨んだので、内容や引用されている論文は全部知っているものでした。何か新しい情報はないかと思っていたのですが、
今一番新しい世代の接着システム 接着ステップとレジンがひとつになったself adhesive レジンについて、私が調べたときは根管のスメア層を除去する除去しないについての議論は報告が少なく意見がわかれていてましたが、このレクチャーではかならずスメア層は除去すべきと強調していました。が、その根拠というかなぜ、かについては時間がおしていたため、スライドをとばしてしまっていて、触れておりませんでした。そこが知りたかったので残念でなりませんでした

次に、楽しみにしていたのはDR. Bjørndalのレクチャーです。
生活歯髄保存療法、VPT(Vital pulp thearapy)ではこの先生の論文をよく読みました。勝手に白いひげのサンタクロースのようなおじいさんをイメージしていたのですが、思っていたよりかなりお若くてびっくりしました。40代後半〜50代のやさしそうなパパって感じでした
トピックのテーマは大人の深い虫歯のVPTで、非常に興味深く、そして成功率に論文によって非常にばらつきのある分野です。

歯髄の炎症、感染に対して歯科医がおこなう診断法、治療法、予防法は何が一番効果的で確実なのか?という問題を評価するにあたって、現在まででている論文はstudy designのばらつきから、正確な評価が難しい状態であり、この問題を追求するためのprojectがThe Swedish Council on Health Technology Assessment (SBU) というスウェーデンの政府機関によって行われている事も、今回初めて知りました。プロジェクトはDr. Gunnar Bergenholtzがリーダーとなり複数名の歯科医によって2年がかりでこのトピックに関する膨大な数の論文のシステマティックレビューをおこなっています。

興味のある先生はこちらでPDFがダウンロード出来ますのでどうぞ。
Methods of Diagnosis and Treatment in Endodontics

次に、私たちPESCJのメンバーにとっては大ボスになるのでしょうか?
キム先生のレクチャーです。
外科のセッションは今までのどのレクチャーよりも大盛況で満員でした
相変わらずのエンターテイナーぶりでオーディエンスを惹き付けていました。
キム先生のレクチャーは何度も聞いていますが、スピード感、ライブ感、合間のジョークなどどれも完璧で、本当にすごいと思います。高齢にもかかわらず、年齢は全く感じさせません。
レクチャーの内容で、以前と変わったところもあり、学会に参加すると最新の情報を得る事ができる場合があるんだなあと思います。
何が最新かということに関してはきっとPESCJで石井先生がコメントされるとことがある思うので、ここでは触れないでおきます

以上、面白かったレクチャーについてリポートしてみました。
かなり長い文章になりました。最後まで読んで下さった方、ありがとうございます。
読んでみていかがだったでしょうか?感想がありましたら、ぜひお願いします。

最後に
今回はるばるリスボンまでやってきてESEに初めて参加してみましたが、学会は参加するといろいろな知識に触れる事ができて、最新の情報や、今どんなトピックが一番盛り上がっているかなどが良くわかります。
ESEはAAEよりもこじんまりしていて、回りやすかったです。少し感じが違いますので可能なら今後は両方参加したいなと思いました。
ポスターセッションを見たりして、世界中のいろんな国のいろんな場所で根管治療を一生懸命やっているんだなあと感慨深い思いもありました

次回のESEは2年後バルセロナでおこなわれるそうです
絶対、参加しようと思います

レクチャーの合間のバルセロナのCM
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