LEE'S ブログ

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根管治療に関する記事を中心に、専門的ながら大切なことを治療例をまじえて、一般の方にもわかりやすく解説しています。ありきたりな内容ではなく、欧米の論文を精読した内容をベースに信頼性のある有用な情報を発信するよう努めています。(*記事の元になっている引用文献を記載しています)疑問に思ったことは徹底的にリサーチします。学会参加報告記や、お知らせ、プライベートのくだらないお話もごくたまに、綴っております。

クラウンかインレーか どうやって選ぶ? ①強度編

 

こんにちは。李です。

今日は神経が生きている歯の治療方法で、クラウンかインレーかどうやって選ぶ?違いは何か? というテーマについてお話していこうと思います。

主に奥歯の虫歯治療で、クラウンか、インレーかの治療方法を患者様にご提案すると皆さま悩まれます。症例をまじえながら解説いたしますね。

 

クラウンかインレーか、どちがあなたの歯の治療に適しているのか?

 

この問いに対して、絶対コレ!!という答えはありません。

(今回は材質については触れませんが、セラミックか金属か、というのも同様です)

 

なぜなら、どちらがより良いかは患者さまのご要望歯の状態虫歯の位置、大きさ、虫歯を取った後の歯の量、厚み、噛み合わせの状態、歯ぎしりくいしばりの習癖の有無、虫歯のリスクが高いか、セルフケアができているか)によって総合的に判断する必要があるからです。

また、定期的なメンテナンスに通院可能かどうか、なども考えます。

 

患者さまのご要望は

①歯をなるべく削りたくない

②割れない素材で、なるべく長持ちしたい

③その後虫歯になりにくい方が良い

④費用対効果

というものがメインです。

このご要望の中で①と②③④が相反するものなのです

この4つの中で何が最優先かは患者さまそれぞれで違います。

数回に分けて、この4つのご要望についてご説明します。

 

①歯をなるべく削りたくない

はい、誰でもそうだと思います。

削る量が少ない治療はインレー治療です。

 

セラミックインレー治療例

dsc01597

インレーの形の一例、虫歯の位置や大きさによって削る量は変わります

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インレー装着後

 

②割れない素材で、なるべく長持ちしたい

④費用対効果

治療した歯が長く使えれば使えるほど費用対効果が良いと言えます。

(*ここでいう長く使える、というのは強度の問題です)

クラウンとインレーを比較すると、強度的に長持ちなのはクラウンです

長年の経験から欠けない、割れない、外れないという意味ではクラウンの方が長持ちだと思います。

注:これはもちろん治療が適切であることが前提です。また、セラミックと金属の比較となると変わってくる場合もあります

なぜインレーの方が欠けやすいか、ご説明します。

 

インレー治療のデメリット

インレー治療は、歯の咬む面に境界があるため、インレーと歯の境界の薄い部分が欠けやすいです。金属の素材ですと、金属は欠けませんが歯が欠けます。セラミック素材ですとセラミックと歯の両方が欠ける場合があります。

注:欠けやすさは噛み合わせ、はぎしりや食いしばりなどの癖があるかどうかに大きく関わるので個人差があります

 

Case1:  装着後から5年で欠けたセラミックインレー

クラウンかインレーか 症例1

装着直後のセラミックインレー

クラウンかインレーか 症例2

4年経過,境界の薄い部分が一部欠けています。こういったところに歯垢が入り込むと虫歯になることがあります

クラウンかインレーか 症例3

5年後、完全に欠けています、赤い印は上の歯と噛みこんでいるところをマークしたものです

 

どのくらいで欠けてしまうかは歯の量、厚み、材質、歯ぎしりや食いしばりの癖があるか、などによって個人差があります。

上のケースは比較的歯が分厚く残っていますが、歯が薄い場合で、そこに上の歯が噛みこんでいる場合はより歯が欠けやすいため削って覆うことをおすすめします。

 

Case2: 歯が薄い場合でもインレー治療がいい場合はどうするか?

虫歯の位置や大きさ、削るデザインによっては歯が薄い部分ができます。歯を削らないインレー治療をご希望の場合は、極力薄い部分を残さないようなデザインを考えます(アンレータイプというものです)。治療して短期間で欠けてしまい再治療になる、なんてことにならないためにです。

 

クラウンかインレーか 症例4

歯の薄い部分に噛み込みのマーク(赤)がついています、すでに歯に亀裂もあります。この形でインレーを作っても欠けやすいことが予想できます。

クラウンかインレーか 症例5

歯の山の部分も噛み込みのマーク(青)がつき、亀裂が入っています

クラウンかインレーか 症例6

薄い部分は削ります

クラウンかインレーか 症例7

薄い部分と亀裂のあった歯の山の部分を覆ったアンレータイプのデザインで、歯を欠けから守ります

 

Case3: インレーより強度が高いクラウン治療

治療した歯がなるべく長持ちしたい場合は歯を削る量が多くてもクラウンをお勧めします。

(*クラウンには歯を多く削るというデメリットがあります。それでも強い方が良いならクラウンです)

クラウンかインレーか 症例8

クラウンの場合は歯を全周削りますので歯を削る量は多くなります

クラウンかインレーか 症例9

一番強度が高いのは金属のクラウンです。歯にすっぽり被せるので噛む面に境界はありません

クラウンかインレーか 症例10

セラミックのクラウンは材質的にはガラス素材なので絶対に割れないとは言えませんがセラミックインレーよりは強度が高いといえるでしょう

 

 

余談ですが保険の治療でも、クラウンの治療をおこなった歯は2年間は保険でやりなおしができないルールになっています。保険でのインレー治療にはそういったルールはありません。クラウンより長持ちしないという認識なのでしょう。クラウンの2年間というのも短すぎると思いますが

 

このように、長持ちする、強度が高いという側面で考えるとクラウンの方が良いと言えますね。

けれども歯を多く削らなければいけないというデメリットがあります。

では、歯を多く削ることがどういう意味でデメリットとなるのかは次回のブログ記事でお話したいと思います。

ちなみに、Case1でご紹介した5年で欠けてしまったセラミックインレーの患者様は、クラウンにはしないでまたセラミックインレーを選択されました。

歯を削りたくない方は、長持ちよりも削らない治療を選択されます。

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