LEE'S ブログ

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根管治療に関する記事を中心に、専門的ながら大切なことを治療例をまじえて、一般の方にもわかりやすく解説しています。ありきたりな内容ではなく、欧米の論文を精読した内容をベースに信頼性のある有用な情報を発信するよう努めています。(*記事の元になっている引用文献を記載しています)疑問に思ったことは徹底的にリサーチします。学会参加報告記や、お知らせ、プライベートのくだらないお話もごくたまに、綴っております。

休診のお知らせ4/24(火)~4/30(月)


4/24(火)~4/30(月)までは米国歯内療法学会(AAE)参加のため休診となります。

 

 

Best Speaker Awardを受賞しました@ AE広島

こんにちは。李です。

先先週末は第13回AEAcademy of Endodontics http://www.pescj.org/ae.html参加のために広島に行ってきました。

新規認定医チャレンジ、認定医更新の先生方の気合の入った発表で刺激になり知識のアップデートにもなり大変実りあるものでした。

認定医試験のためのケースプレゼンテーション、トピックプレゼンテーションは受講中の発表よりもさらに洗練されてかなりレベルが高い内容でまさに渾身の作品といった感じです。

私自身、昨年9月の第12回の札幌で開催されたAEで生活歯髄療法(Vital Pulp Therapy)について発表した時はかなりの準備期間を費やし、消耗しました

発表された先生方、本当にお疲れ様でした

また、今回嬉しいことに昨年札幌AEで私が発表いたしました『永久歯の虫歯による歯髄炎に対しての生活歯髄療法』Best Speaker Awardを受賞することができました

大変光栄で嬉しく思います

発表時のブログはコチラ

認定医更新試験 in 札幌AE (Academy of Endodontics)2017

 

暖かい陽気で桜は満開、広島のご当地グルメ広島焼き、生牡蠣なども堪能しとても充実した二日間でした

朝のジョンギング時の広島城

夕暮れ時の宮島観光で。厳島神社の鳥居の美しさに感動しました

 

LEE’S DENTAL CLINIC 8周年を迎えました!

こんにちは。李です。

本日2018年4月2日、開院8周年を迎えることができました

ただただ時の流れの速さに驚くばかりです。

スタッフ、技工士のAbilita今井さん、お仕事仲間の先生方、メンターの先生方、友人、家族の支えがあっていつも頑張れています。

そしてLEE’S DENTAL CLINICにご来院いただいた全ての患者様、ありがとうございます。私は現場の仕事(診断すること、治療すること、正しい情報、選択肢をお伝えすること、患者様のお悩みを解決すること)が一番好きです。

今後も全力で走り続けますので、よろしくお願いいたします

8年経ってもお花を送っていただき感謝です

 

ポスト、フェルル、根管治療歯の長持ちにはどちらが重要?

こんにちは。李です。

日本橋桜通りの桜は満開です

八重洲から八丁堀まで続くさくら通りの桜。ずっと奥まで続きます。特に昭和通りを超えてからは桜が密集していてまさに桜の天井です、ぜひクリックしてみてください

毎年楽しみなこの季節ですが、今年ははじめて花粉症の症状が出てしまいました

さて、前回、前々回と根管治療を行う時に精査するべき残存歯質の量、特にフェルルについてブログ記事を書いています。

フェルルとは?前回のブログお読みください

根管治療しても長持ちしない歯の見分け方②〜フェルルの有無〜

 

今日もその続きとして、最近出版された興味深い論文を引用し、解説します。

Naumann M et al.“Ferrule Comes First. Post Is Second!” Fake News and Alternative Facts? A Systematic Review. 2018 Feb;44(2):212-219

 

フェルルの有無、ポストの有無が根管治療した歯のサバイバル、修復物のサバイバルにどう影響するかを調べたものです。

術後5年以上のデータのある8つの論文のシステマチックレビューで検証していますので、エビデンスレベルの高い研究と言えます。

簡単に結果をまとめますと、8本中7本の研究で歯にフェルルがある場合はポストにプラスの効果がないという結果が出ています。

この中でフェルルの効果を比較検証した研究は3本ですが、2/3本でフェルルの存在が歯のサバイバルに好ましい効果があるとの結果となっています。

歯にフェルルがあればポストを入れても入れなくても変わらないということで、つまりそれは歯のサバイバルにはポストよりもフェルルの有無の方が、重要であるという結果と言えます。

歯がたっぷり残っていて、フェルルがあることが根管治療歯の長持ちにとても大切なことです

残存歯質、フェルルがあるかどうかを正確に把握するにはクラウンやコア、ポストを外し、虫歯があれば虫歯を取り除いた状態で評価が必要です。

根管治療を受ける際には、根の病気の診査ももちろんですが、フェルルも含めた残存歯質をしっかり把握することが大切です。しかしながら、フェルルがあるから絶対に長持ちするとは言えません。残存歯質の量は歯の余命の予測のための1つの目安となりますが、それ以外の要素もたくさんあること、お口の状況は個人差があることなどから、いろいろな要素を考慮して主治医とよく相談の上、治療を進める必要があります。

例えば、フェルルがしっかりあっても、太いポストのせいで根が薄くなっていたり、そもそも全くの健全歯でも、過度の歯ぎしり食いしばりなどでパックり割れてしまうこともあるのです。

以下、フェルルや歯冠の歯質ががあっても割れていたケースです。

フェルルがあっても、太いポストが入っていて破折をしていた歯

歯ぐきが腫れている、という根管が太く削られている左上5

フェルルはありますが、根が薄く、外すと根が破折していました

抜歯インプラント治療となりました

インプラント上部構造セット後

 

根管治療をしていない、無傷の歯が割れていたケース

根管治療もしていない、インレーすら入っていない健全な歯がたっぷり残った左下6 の歯冠が破折しています。(茶色いところは虫歯ではありません)

破折がどこまでいっているか確認するために削り取っていくと歯根まで真っ二つに割れています。

 

 

根管治療しても長持ちしない歯の見分け方②〜フェルルの有無〜

こんにちは、李です。

前回の続きのお話をしていきます。

根尖性歯周炎(根の周りの炎症の病気)の治療で根管治療や歯根端切除術を行い、病気が治り(サクセス)、その歯がどれだけ長持ちするか(サバイブ)、正確にはわかりませんが、歯の量を目安にある程度の傾向を予測することは可能です。

例えば、歯が薄く、量が少なく、そして奥歯で噛む力が強く歯ぎしりの習癖がある場合は、そうでない場合よりも長持ちしなさそう、などと予測します。

歯の長持ちの予測のための歯の質の診査

当院の診査では、根尖の診査診断と歯髄(歯の神経)の診査診断を行いますが、それ以外にも歯の質の診査というメニューもあります。このメニューは診査のためにある程度治療を進める必要があります。クラウンや詰め物、土台を外し、虫歯がある場合は虫歯を取り除き、残った健康な部分の歯がどれくらいあるか、を見ていきます。レントゲン検査で極度に歯や根が薄そうな場合は根尖性歯周炎や歯髄炎が治ったとしてもその歯が長もちしない可能性があるため、歯を保存する、しないの意思決定のためにこのような診査が必要な場合があります。​

歯の質の診査の一例

歯の質の診査のために、クラウンを外したところ、メタルコアが大部分で歯があまり見えません

メタルコアを外しているところ、歯がだいぶ少なそうなのがわかります

メタルコアを外し、染め出しをして虫歯を取り除くと、全周のうち歯肉縁上に一壁しか歯がありません。(=一部フェルルあり)

 

歯の予後に関わる様々な要素の中で一番重要、インパクトが大きいといわれているのが残存歯質量(健康な歯の量、厚み)と言われています。残存歯質量を見るときに、一つの目安となるのがフェルルの有無です。

歯の予後に大切なフェルルの有無

フェルルとは、歯頚部(歯と歯肉の境目あたりのこと)の部分の歯質で、歯にクラウンをかぶせた時にクラウンで囲まれる部分のことです。歯にかかるストレスを減らし、破折から歯を守る効果がある、と言われています。

フェルルの有無は 特に前歯や小臼歯で歯の予後(破折、脱離)に大きく関わると言われていています。

下の図は論文から引用したものです。青色でなぞった部分の歯がクラウンで囲まれるフェルルの部分です。

Jelena Juloski et al. Ferrule Effect: A Literature Review. Journal of Endodontics. 2012;38(1):11-19. より引用

 

イラストではなかなかピンとこないと思いますの症例で見て行きましょう。

メタルポストが入っている左上2、3、青い部分がフェルルになります。

 

全周360度あることが望ましいと言われていますが、全くないよりかは、部分的にでもある方が良いと言われています。

 

 

症例写真でフェルルのあるなしをご説明します。

歯の全周のうち3/4はフェルルがある状態

全周フェルルがない状態

フェルルがある状態(丈も厚みもしっかりあります)

全周フェルルがない状態

 

​噛んでいる時に歯にかかる力は、だいたい歯肉のラインの少し下のあたりの根の外側に最大の力がかかると言われています。

フェルルがあることで、この力が緩和されると言われています。

多くの教科書や、文献ではフェルルのない歯は歯根破折のリスクやクラウンやポストの脱離のリスクがフェルルのある歯よりも高くく予後不良と言われていて抜歯が推奨されることが多いです。

ファイバーポストごとクラウンが脱離した左上2、歯を見ると全周フェルルがありません

 

では、それでもなんとか保存したい場合はどうするのか?

フェルルを作る方法があります

それは歯冠長延長術(クラウンレングスニング:フェルルを確保するために歯肉や骨を外科的に切除する方法)、矯正的挺出(Orthodontic extrusion:フェルルを確保するために矯正で歯を引っ張り上げる方法)という方法です。

この方法は根の長さがある程度ある歯に限り有効と言われています。この二つの術式を行うことで、骨に埋まっている部分の歯根が短くなります。歯冠歯根比と言って、根の長さと、歯の頭の部分(歯冠)の比率が1:1を切ると予後がよくないと言われているためです。ですので全ての歯に適応できるわけではありません。

患者様が来院され、フェルルがなく薄い歯を残したいと言われた場合とても悩みます。

残したい気持ちはよくわかるのですが、長持ちしない可能性が高い。

歯の状態をご自身で理解していただくためには、実際に外した状態を写真で見ていただき、相談した上で治療の方向性を決めて行くのが一番だと思います。

参考文献

Jelena Juloski et al. Ferrule Effect: A Literature Review. Journal of Endodontics. 2012;38(1):11-19.

Naumann M et al.“Ferrule Comes First. Post Is Second!” Fake News and Alternative Facts? A Systematic Review. 2018 Feb;44(2):212-219

Robbins JW. Restoration of the endodontically treated tooth.Dent Clin North Am. 2002 Apr;46(2):367-84.

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