根管治療に関する記事を中心に、専門的ながら大切なことを治療例をまじえて、一般の方にもわかりやすく解説しています。
ありきたりな内容ではなく、欧米の論文を精読した内容をベースに信頼性のある有用な情報を発信するよう努めています。疑問に思ったことは徹底的にリサーチします。学会参加報告記や、お知らせ、プライベートのくだらないお話もごくたまに、綴っております。

根管治療後の土台の重要性 / 細菌が入らないために

2014.09.15 | 根管治療, 根管治療後の治療 |

皆様こんにちは。9月に入りあっというまに中旬です。

すっかり涼しく過ごしやすい季節となりました 夏が暑かっただけに嬉しいです。

さて、今日は根管治療が終わったあとの土台の重要性について症例をみながら解説していこうと思います。

 

日々歯の治療をしていて(根管治療に限らず虫歯治療も)、治療後のトラブル、(たとえば治療後も症状が改善しない、虫歯の再発や、詰め物被せ物が外れるなど)防止のために本当に大切だと痛感することがあります。

それは封鎖です。しっかりと密封すること、歯と材料の間に隙間がないことです。

 

隙間があると、唾液やプラーク(歯垢)からの細菌が歯の内部に入り込む通り道になるし、それが原因で虫歯にもなります。

また根の中に細菌が侵入すると根管治療をした歯も病気が再発します。細菌がどんどん繁殖するような場合は、嫌な匂いがしてきたり、治療で詰め物をはずすとぐちゃっとしています

 

スキマから銀歯がゆるみ、はずしたところ。虫歯になり、ぐちゃっとしている状態。

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たとえば、食品のことを考えてみてください。食品の保存でも密閉することって大切ですよね?真空パックになっているものは腐らないです。全ては細菌が関わっていて、細菌が入らない環境だと腐りません。

虫歯は、歯に細菌が感染して歯を変性させる病気なので、腐るという言葉があてはまるかもしれません。

隙間ができない精密な封鎖の治療で細菌が入らないような治療をすることが本当に大切なのです。

 

以前にもどこかで書きましたが、根管治療では

根管治療→細菌を取り除く治療

封鎖の治療→新たな細菌や細菌の栄養源が入らないようにする治療(土台やその後のかぶせもの)

 この二つが根管治療の要です。

虫歯治療では細菌をとることと封鎖の治療がセットになっていますが、考え方は同じです

 

では、どうすればぴっちり密封できるのか?

下の症例で土台の治療(封鎖)をどのようなところを気をつけているのかを見て行きましょう。

 

歯科材料は日々進化しており、現在土台の材料としては接着性レジンを使用した接着の治療が主流です(欧米では)。

接着というのは歯にくっつきますから、一番封鎖性が高いです。でもアロンアルファなどの接着剤と同様、ぬれた表面や、汚れている表面にそのままおこなうと、接着は失敗します。

当院では根管充填後、そのまま土台の治療になります。なるべく早く封鎖し、細菌が侵入するチャンスがなるべくないように、という考えからです。

 

根管充填直後。

根管充填で使用する材料が歯の表面にベタベタくっついています。

この状態で接着の操作をおこなうのはマズイです接着がうまくいかず、密封出来ません。

 

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いくつかの器具を使用しながら歯の表面を綺麗にします。唾液にぬれた状態での接着操作はもってのほかですから、ラバーダムをかけて顕微鏡下でおこなうのが理想的です。

たまに、エアーにも水がでることがあり、その場合は一からやり直します。

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接着修復でレジンコアを填入したところ。

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よく、土台のダツリ(はずれる)ということがありますが、接着が成功している場合、すぽんと脱離することはありえません。まるまるはずれるということは、接着がうまくいっていないのです。

接着操作は細心の注意を払っておこなわないといけない、デリケートな治療です。

そしてこの接着の治療を精密におこない歯の表面を密封すること、これがその後のトラブル予防にとっても重要なんです

 

 

 

●良いクラウンとは?〜見た目が白くて綺麗なだけでは駄目なんです〜

2014.07.03 | 歯のまめ知識, 根管治療後の治療, 精密クラウン治療 |

皆様こんにちは。李です。

毎日本当にジメジメしていて体がスッキリしませんね。早く梅雨が明けて欲しいです

6月はバタバタしており、腰を据えてブログに取り組む時間がありませんでした。

お休みの日に集中して調べ物や論文を読む時間を捻出したいものです。書類系や調べもの、ブログの記事を書いたりする時間は大切です。

 

さて、前回はクラウンをはずさないで根管治療できる場合、できない場合をテーマに記事を書きました。

今日は『クラウンの適合、精密度』についてお話していきたいと思います。

クラウン(歯のかぶせもの)は、どういった基準で良い、悪い、を評価すれば良いのでしょうか?

 

患者様の視点では、見た目が白くて自然で綺麗であること、が大切なのではないかと思います。

また、違和感がない事、噛み合わせが適正である事、食べ物がつまりにくいこと、なども大切な要素ですね。

 

でも、一番大切なことは適合だと思います。適合とは歯にぴったりとあっていること。

つまり隙間や段差がないことです。

 

さて、これはどういうことでなのでしょうか?患者様はあまりピンとこないと思いますので、以下にご説明して行きますね。

 

LEE`S DENTAL CLINICでは根管治療の時だけではなく、検診やクラウンの適合チェック、セルフケアのチェックなどにもマイクロスコープを使用するようにしております。

そうすると、不適合なクラウンのマージン(辺縁部分)にはかならず歯垢(プラーク:細菌の膜のようなもの)がたっぷりついています。

歯のクリーニングをしていて歯垢(プラーク:細菌の膜のようなもの)の染め出しをおこなってみると、適合の悪いクラウンのまわりにはたっぷりとプラークがついていますし、そのせいで歯肉が炎症をおこしています。

お手入れが上手な方でも適合の悪いクラウンのところにはいつもプラークがついていて、うまくとれていないのです。

このプラークは細菌の塊のようなもので歯周病、虫歯の原因です。日々のセルフケアや歯のクリーニングで取り除いてあげないと、病気を呼び寄せます。

どんな風に、ついているか見てみましょう。

 

下の写真は保険治療の銀のクラウンの写真です。(部にプラークが停滞しています)

 

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かきだしてみると。。。

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こんなにごっそりとでてきます

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こんな状態で、2、3年も経過したらクラウンの内部で虫歯が進行したり歯周病が進行します。

 

もう一つ症例を見てみましょう。

 この保険治療の銀のクラウン、歯ぐきが退縮して歯の根の部分が露出しています(↓部

この歯ぐきの退縮自体は問題ではなく、加齢とともに起こりやすくなります。(ここを虫歯にしないようにお手入れする事はとても重要です!!この話はまた別の機会にします)

茶色くなっているのは虫歯ではなくて、着色です。プラークもこの部分にはついていません。この患者様は歯磨きが綺麗にできていらっしゃいます。

しかし!!! 赤い↓に注目です。ここにかなり大きな段差(でっぱり)があります。

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器具で探ってみると。。。。

こんなにたっぷりプラークがついています。クラウンの段差の下に住み着いていて、お手入れではうまく取れていないのです。。。

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もし、このクラウンにこんな段差がなければ、適切なお手入れでプラークはつかないはずです。

 

どうでしょうか、クラウンの適合って、歯の予防にとって本当に大切だと思いませんか?

クラウンと歯の間にはかならず境目があります。異なる素材同士なので、境目があることはしょうがないことです。

ただ、この境目がぴったりとあっていることが大切です。

隙間があったり、段差があるとそこにプラーク(細菌)がくっつきやすく、歯磨きやフロスでも取りにくくなります。

細菌がくっつきやすい環境ができると、虫歯や歯周病がおこりやすくなります。

 

下の写真は当院でのセラミッククラウン治療ですが、精密に作業をすすめても、型取り材料の変形や、

ラインのとり間違えなどで、少し隙間が出来てしまう時があります。(青→部)

このようなときは、もちろんやり直しております。

 

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下の2歯は両方ともセラミッククラウンです。このような仕上がりをめざして日々治療をしております。

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 このような適合の良いクラウンを作製するために、どういう治療をおこなっているかをホームページの精密治療のところで詳しくのところでご紹介しています。こちらも参考になさってくださいね

クリック!!

精密治療

 

●根管治療とクラウン治療、どちらが歯にとって大切なのでしょうか?

2012.09.07 | 根管治療後の治療 |

皆様こんにちは。李です。
まだまだ蒸し暑い日が続いていますね
朝晩は涼しくなったとはいえ、まだまだ秋とは言えません。
私の一番好きな秋、早く来てほしいです

さて、しばらく歯に関する記事を書いていませんでしたが今回からはまじめな歯のお話に戻ります。
このLEE’S DENTAL BLOGの内容は、患者様とのカウンセリングや、治療の時に思いつくことが多いです。
患者様が疑問に思っていらっしゃったことや、歯の状態を説明しているときなどに、患者様の反応が大きい(今までそんなこと知らなかった!)というようなお話からヒントを得て、テーマを決めています。

最近、このブログで歯の治療について何をテーマにしようか決めるのに時間がかかることが多いです。
書きたい、重要だな、このことについていろんな方に知っていただきたいな、と思うようなことはすでに過去の記事で書いてしまいました。

今日は何をテーマにしようかな?と考え、昨年Penn Endo Study Club in Japanhttp://pescj.org/index.html1年コースを受講していた時に発表した内容を見返していました。
そうしたら、またふつふつと、書きたいことが浮かんできました
しばらくは、テーマに困ることがなさそうです

根管治療とクラウン治療、どちらが歯にとって大切なのでしょうか?

根管治療をした歯の予後(根尖病変の有病率)に、根管充填のクオリティと、クラウンのクオリティ、どちらが重要か?というとても有名な論文があります。
このブログでも何度かご紹介した、私の好きなTrope先生の1995年の論文です。(Ray &Trope /Periapical status of endodontically treated teeth in relation to the technical quality of the root filling and the coronal restoration. Int Endod J 1995;28:12–8.)

結論から言いいますと、この論文では根管治療がgoodでクラウンがpoorな歯の有病率(55.9%)よりも、
クラウンがgoodで根管治療がpoorな歯の有病率(32.4%)の方が低かったのです!!
もちろん、根管治療もクラウンもgoodなものが一番有病率が低いです(8.6%)
この論文がでるまでは、根管治療歯の予後に、クラウンのクオリティはそれほど重要と思われていませんでした。
ですので、この論文はこのテーマに関してパラダイムシフトをおこすきっかけとなったのです。

この論文に関しては、その後のお話があります。(ここからが、非常に重要!!)

実はこの論文はいろいろな意味でセンセーショナルだったせいか、内容を検証する様々な論文があとから出てきています。
結局のところ、根管治療の予後には術前に病変があるかどうかがとても大きなファクターなのですが、
この論文ではその影響を調べていないため、この結果のみを鵜呑みにするのは疑問視されています。
この結果だけだと、クラウンが精密だったら、根管治療は適当でいいじゃん!!って解釈されてもしょうがないですよね?
実際に、Trope先生の実験方法を忠実に再現したTronstad Lら(2000)の論文(Tronstad L et al./Influence of coronal restorations on the periapical health of endodontically treated teeth. Endod Dent Traumatol 2000;16:218–21.)では逆の結果がでているのです。

結局、現在では両方大切ということになっていて、根管治療の予後には術前の病気の状態が大きくかかわる、ということでコンセンサスが得られています。

根管治療の目的は
根管内の細菌を減らし、その後、新たな細菌の侵入経路をシャットアウトすることです。ここでいう細菌を減らすのが根管治療、そして侵入経路のシャットアウトが、コアやクラウンの治療ということです。
このように考えると、両方重要なのは言うまでもありませんよね?

では、ハイクオリティのクラウンとは?
それは歯とクラウンの間に隙間がないことです。形成した歯のラインにクラウンがぴったりあっていて、段差や隙間がないことが非常に重要です。
そのためには精密で奇麗な型をとることがポイントとなってきます。
型取りの材料は変形の少ないシリコン素材を用い、
歯肉の溝に糸を巻き、材料は歯肉と歯の溝にもながれやすいようにします。
歯肉が出血してるような状態では絶対に型をとりません!!
詳しくは当院HPの精密治療のページをご覧ください。

http://www.leesdentalclinic.com/08.html
LEE’S DENTAL CLINICでは根管治療はもちろんですが、その後のクラウン治療もすべて精密治療をおこなっております。
根管充填後のコア、ファイバーポストなどの治療は、必ずラバーダムをかけた状態&マイクロスコープを使用し、
一番信頼のおける接着システムを使用しております。

クラウンがハイクオリティであることは、根管治療をした歯にとってとても重要ですが、歯周病予防や、二次虫歯の予防にもつながります。
クラウンの段差や隙間に細菌が停滞すると、歯ブラシやフロスではなかなか取れなくなり、細菌が繁殖しやすい環境になってしまうのです

病気になってしまった歯にとって、根管治療も大切!その後のコア、クラウン治療も同じくらい大切これが、今日のテーマでした

●ファイバーコア、レジンコアとはどういう治療?PART2〜その使い分け〜

2012.07.27 | 根管治療後の治療 |

皆様こんにちは。
本当に暑いですね。外にでないで一日家にこもっていたいです。

昨日は夕方から、谷中というところに行ってきました。
お友達の先生が美味しい和食屋さんを紹介してくれたのです。
谷中というところは、今散歩ブームで注目されているようです。
古いお家や、お寺などがありなかなか雰囲気の良いところでした!
涼しくなったら、また散歩とご飯を食べに行ってみようと思います。

谷中散歩のサイトです
http://www.osanpo-tokyo.com/yanaka/index.html

さて、前回はファイバーコアとはどんな治療か、ということについて書いて行きました。
ファイバーポストの芯の部分とレジンコアで、失った歯の部分を補う治療ということをお話しました。

今日は、レジンコアとファイバーコアは、どのように使いわけているのか?
どんな歯にもファイバーポストをいれた方が、歯の補強になるのか?

という点についてお話しようと思います。

今日は結論からいきます

●ファイバーポストは、どんな歯に使っても歯を補強しません!!むしろ、必要のない歯に使うと歯を弱めてしまします。
●ファイバーコアとレジンコアの使い分け(適応)は、ズバリ、残っている歯質の量によります。
治療している歯の状態によって、ファイバーコアが適しているのか、レジンコアが適しているのか、それぞれ違うのです。

コア、築造という治療の目的は治療後の根管の再感染を防ぐことと、その後のクラウン治療のために歯の形を整えることです。
根管の入り口を密封するこだけとが目的なら、特にポストは必要ありません。
どういうときにポストが必要かとうと、歯冠部(歯ぐきから上の部分)の歯質が少なくて、歯根にポストをさしこまないと上のコア部を維持するのが難しい場合です。
歯冠の歯質が少ないとその分コアとの接着面積が少なるので、コアの維持がイマイチになります。
そのため破折したりはがれたりしやすくなってしまいます。
なのでそういう場合は、歯根の象牙質にも接着させて維持をもとめないといけないのです。
ポストを歯根にさしこむためには、さしこむための穴(ポストスペース)をつくらないといけません。
そのためには歯根の象牙質を削ることになってしまうんですね。
この歯根象牙質を削ることによって、歯を弱めてしまうのです。
ポストを維持するために必要な処置なので、しょうがないことですし、
もともとポストが入っていた歯(とくに保険治療で行われているメタルのポスト)はすでに
歯根象牙質が削られているので、そういった歯にファイバーポストを使用することは、むしろ歯を補強してくれます。

でも、もともとポストが必要ない、歯冠部も、歯根部も健全な象牙質がたっぷり残っている歯に、あえてポストをたてると、不必要に削ることになり、歯を弱めてしまうのですここが要注意ポイントです

簡単にいうと、
レジンコアでOKな歯は、歯冠の歯がいっぱい残っている。
ファイバーポストが必要な歯は、歯冠の歯がだいぶ少なくなっている。→ポストをいれないとコアを維持できない。
ということです。

イメージがわきにくいと思うので写真を見て行きましょう。

レジンコア(赤丸でかこった部分)
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歯冠の歯が多く、歯根にポストは差し込んでいません。歯とレジンコアの接着面積がたっぷりあるのがわかりますか?
こういう歯に、ファイバーポストをいれようとするのは、デメリット以外何もありません

ファイバーポスト&コア(赤丸でかこった部分)
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歯冠の歯がほとんどなく、歯根にポストを差し込んでいます。歯冠だけではレジンコアとの接着面積がほとんど得られないので、歯根に維持をもとめているのです。

ポストが必要な歯は前歯が多いです。大臼歯はほとんどレジンアでOKなことが多いです。

前回と同じですが参考文献です。

参考文献:
①Robbins JW.Restoration of the endodontically treated tooth. Dent Clin N Am 2002
②Schwartz RS, Robbins JW. Post placement and restoration of endodontically treated teeth: a literature review. J Endod 2004
③Cheung W. A review of the management of endodontically treated teeth Post, core and the final restoration. JADA2005.

●ファイバーコアとはどんな治療?〜根管治療が終わったあとの治療〜

2012.07.17 | 根管治療後の治療 |

皆様こんにちは
週末の連休はいかがでしたか?
それにしても連日暑くてたまりませんね
昨日は湿度も高く、朝シャワーを浴びても、ちょっと動くとすぐに汗がでてきました
口の周りが、ほんのりしょっぱい味がして、汗の塩分のせいで、海で泳いだあとのように体がべたべたしました
確かめるように、ちょっと舐めたりしてみるとしょっぱい味がしました
なんとも汚いお話ですみませんが、そんなご経験はありませんか?
昔はこんなに汗をかかなかったのに、加圧トレーニングで代謝が良くなったせいかな?
多少しょっぱくても、汗をかかないよりは良いことなので良しとします!

さて、今日は根管治療が終了した後の治療のお話です
根管治療が終了したあと、ほとんどの歯は土台を必要とします。
なぜなら根管治療にいたる歯は、過去に大きな虫歯があったり、再治療であれば、すでに多くの歯を削られてしまっていたりと、それぞれの歴史があります。
とにかくもともとの健全な歯の部分が少なくなってしまっていて、そのままの形ではクラウンをかぶせることができません。
失われた歯の内部の空間を土台の素材で埋めてクラウンをかぶせるのに適した形にしてあげる必要があります。
土台には、根管治療終了後の根管内へ唾液が侵入するのを防ぐ、つまり唾液からの細菌の再感染を防ぐ目的もあります。
土台をいれても隙間があったり、接着がうまくいかなかったりしている場合は、歯と土台の隙間から唾液がにじんでしみ込み、再感染してしまいます。それを防ぐためには、隙間なく接着を成功させる必要があります。

さて、土台ですが
土台の構造は、根管内にささるような、釘のような形をしている芯のポスト部分、コア部分にわかれます。

ファイバーコアと言われる、保険が効かない土台を歯医者さんで薦められたことはありませんか?
このファイバーコアは、ポスト部分がグラスファイバーという素材のポスト、周りがレジンコアになっています。

下の写真は根管内にファイバーポストを試適しているところです。
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この芯のようなものがファイバーポストなのです。
ファイバーコアでの土台の治療法にも、型取りをして、模型をおこし、模型上で作成していく間接法と、お口の中で直接、接着させていく間接法があります。

私は以前はほぼ100%間接法でファイバーコアの治療をおこなっていましたが、
Penn Endo Study Club In Japan http://pescj.org/で海外の論文や欧米での主流の治療法を学んでからはすべて直接法で行うようになりました。
その理由は根管内への感染の機会を極力減らしたいからです。
間接法ですと、二回の治療回数がかかるために土台が入るまでの期間が長くなってしまいます。
唾液がしみ込みにくい水硬性の仮封剤を分厚くつめていても、日数がたつと唾液の侵入を防げません。
また型取りの際はラバーダムをかけることができませんので、感染の機会が増えます。
その点直接法での土台治療は、スムーズにいった場合は根管治療の直後に行えるので感染の機会がありません。
細菌感染に対して敏感になってくると、そういった視点で治療方法を選択するようになってきます。
根管治療をした歯のその後治療(歯冠修復)に関しては、どんな論文を読んでも、感染を防ぐという観点から、直接法でなるべく早く行う方が良いと述べられています。

参考文献:
①Robbins JW.Restoration of the endodontically treated tooth. Dent Clin N Am 2002
②Schwartz RS, Robbins JW. Post placement and restoration of endodontically treated teeth: a literature review. J Endod 2004
③Cheung W. A review of the management of endodontically treated teeth Post, core and the final restoration. JADA2005.

これは世界的にコンセンサスが得られている考えなのですが、日本ではこういった考えが全く浸透していないのが残念です。
私自身が良い例で、治療の根拠を論文ベースで考えるようになる以前は、全て直接法でおこなっていましたから
もちろん例外もあり、間接法を選択する場合もあります。
ラバーダムがかけらないような場合、また根管治療的理由でなく、補綴的な理由で間接法の方がメリットが多い場合などです。
個々の歯の状態や治療法にもよるので100%なにがなんでも直接法、ではないのですが、感染の機会が少ない、という理由では直接法を選択した方が良いです!!

下の写真は、根管内にレジンコアという土台用のレジンを流し入れ、ファイバーポストを挿入して硬化させたところです。
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このように、ファイバーコアというのは、ファイバーポスト+コア用レジンのことなのです。

次回は、ファイバーコアと

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