根管治療に関する記事を中心に、専門的ながら大切なことを治療例をまじえて、一般の方にもわかりやすく解説しています。
ありきたりな内容ではなく、欧米の論文を精読した内容をベースに信頼性のある有用な情報を発信するよう努めています。疑問に思ったことは徹底的にリサーチします。学会参加報告記や、お知らせ、プライベートのくだらないお話もごくたまに、綴っております。

根管治療で使用する器具は確実な滅菌が必要です

2015.07.24 | 根管治療, 根管治療と器具の衛生管理 |

こんにちは。李です。

前回のブログで根管治療に使用する器具の徹底的な衛生管理の重要性についてお話しました。

今日は引き続き滅菌や消毒に関してお話していこうと思います。

患者様にとっては、殺菌、消毒という言葉は聞き慣れていると思いますが滅菌という言葉はあまり耳にしたことがないのではないでしょうか?

前回のブログ記事で滅菌と消毒の違いについて少し触れてましたが再度おさらいをすると

滅菌とは全ての微生物を完全に死滅させる状態で、消毒は有害な微生物を除去無毒化すること(Wikipediaより)です。つまり消毒では完全に細菌がいない状態とは言えないのです。

 

では、歯の治療で滅菌の器具を使わないといけないのはどうどういう時でしょう?

ここで、スポルディング(E.H.Spaulding)の分類をご紹介します。

医療器具を使用目的と使用部位に対する感染の危険度に応じて医療器材を3つのカテゴリーに分類し、適切な消毒・滅菌方法を示したものです。

 

以下 http://shop.saraya.com/hygiene/category/kigu_eisei.html より引用

スクリーンショット 2015-07-07 8.27.02

 

 

この表でクリティカルと分類される、通常無菌の組織や血管に挿入されるものという定義に根管治療のターゲットである根管が当てはまります。

特に神経を取る処置(抜髄処置)は無菌の組織なので細心の注意が必要です。再治療の場合でも、器具操作で根尖(根の先端)からの長さをはかる作業があり、

その際に治療器具が根っこ穴を通り越すことがあります(穿通といいます)。根の周りの組織には血管がありますので、再治療の場合にも細心の注意が必要なのです

 

滅菌済みの根管治療前の器具たち

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歯科の治療はお口の中で行われますが、お口の中の粘膜は出血もしやすく、もともと歯肉に炎症があったりすると少し触れただけでも血が出ます。

 

このように歯肉炎の状態では、ちょっとふれただけで出血します

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根管治療の器具だけでなく、歯を削る器具や、超音波スケーラー、その他もろもろの器具もお口の中の粘膜に触れますので

徹底的な滅菌管理が必要なのですが、日本の歯科医療の現場ではその意識が低いように感じます。

以前マスコミに取り上げられて問題になった、66%の歯科医院で歯科用タービンの使い回しの問題を見ても意識の低さが伺えます

 

記事はコチラ

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=99577

 

日本の保険医療制度のもとではコストなどいろいろな問題があるとは思いますが、安心して医療が受けられないのは非常に残念なことですよね

この問題も私が保険診療を行わない理由の一つなのです。

 

 

 

 

根管治療専門医のこだわり〜治療器具の清潔さ〜

2015.07.07 | 根管治療, 根管治療と器具の衛生管理 |

根管治療専門医と聞いて、具体的に何が違うと思われますか?

 

マイクロスコープを使っている、

保険外治療でおこなっている、

ラバーダムを使用して治療している、

特殊な器具を使っている、

はい、もちろんこれらは全て、根管治療専門医がおこなっている内容です。

しかしながら、専門医がこだわるポイントは他にもあります。むしろ、根管治療の専門医だからこだわるポイントです。

それは、根管治療で使用する器具の衛生管理についてです。

(治療の診査方法なども専門医ならではの方法がありますが、これはまた別のブログ記事にしていますのでご覧ください)

http://leesdentalclinic.com/category/%E6%A0%B9%E7%AE%A1%E6%B2%BB%E7%99%82/%E6%A0%B9%E7%AE%A1%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%AE%E8%A8%BA%E6%9F%BB/

 

 

今回、根管治療で使用する器具の衛生管理についてお話ししようと思ったきっかけは、

患者様や同業の一般の歯科医の先生の間でも、マイクロスコープを使えば治療が成功する、というような考えが先行しているような気がしてならないからです。

 

というのも、リーズデンタルクリニックでは他の医院で根管治療を受けたのに痛みが治まらない』というお悩みの患者様が多くいらっしゃいますが

最近では、他の医院といっても保険の治療ではなく、マイクロスコープやラバーダムなどをおこなった治療をしている自由診療の根管治療の歯科医院で治療を受けたのに痛みがおさまらない、ということでいらっしゃいます。

そういった患者様は、『マイクロスコープを使ってラバーダムもおこなった治療をしたのに』と言われるのですが、

『治療の環境はどうでしたか?治療に使う器具の滅菌などはちゃんとなされていたのでしょうか?』ということをお聞きすると

『そこまではわかりません』と皆さんお答えになります。

特にマイクロスコープを使えば治療が成功する、というようなイメージが患者様の間で先行しているような気がしてなりません。

ですので、今日は根管治療の成功の上で一番大切なことについてお話しします

 

専門医は見えないところにこそ、こだわります

 

根管治療の成功のためにはマイクロスコープを使って治療するだけではだめなのです、というより、むしろマイクロスコープは二の次と言っていいくらいです。

一番大切なことは無菌的な環境を整えて治療を行うことです。これがなされていない場合は、治療の時に根の中に細菌が入り込んでしまう、治療のたびに細菌を増やしてしまうことにもなりかねません。

そういったことが起こらないようにするために、治療に使う器具(特に歯に直接触れる器具)が徹底的に清潔であること(つまり全て滅菌がおこなわれている、消毒だけではダメです)、ラバーダムをおこない細菌がたっぷりの唾液が歯に触れないようにガードすることがとても重要なのです。

皆様は滅菌、消毒の違いはご存知でしょうか?

滅菌とは全ての微生物を完全に死滅させる状態で、消毒は有害な微生物を除去無毒化すること(Wikipediaより)です。つまり消毒では完全に細菌がいない状態とは言えないのです。

 

 

リーズデンタルクリニックでは根管治療で使用する器具は全て個別包装で滅菌しています。滅菌できないものはディスポーザブルで使用します。

毎回これだけの器具を滅菌した状態で準備するためには大変な手間と時間、コストがかかります。

器具をブラシでこすり洗いし、薬液で超音波洗浄し、その後乾燥させて滅菌のパック詰めをおこない、オートクレーブ蒸気滅菌で滅菌するのです。

 

 

 

 

治療の器具がどこまで清潔か、消毒しかしていないのか、滅菌をしっかりおこなっているのか、患者様には見分けにくいですし、電話なども聞きづらいことだとは思います。

歯科医院を選ぶ時に、マイクロスコープやラバーダムを使う、ということはとてもわかりやすい指標ですが、根管治療では無菌的な環境を整えた治療を行うことが治療の成功に大きく関わってくる大切なことなのです。

専門医の治療とは、ただ単にマイクロスコープを使って根管治療をするだけではありません。

このように徹底的に無菌的環境を整え、ラバーダム防湿をおこない、さらにラバーと歯の隙間を埋め、外科手術のように術野を消毒するところからはじまります。

根管治療 専門医のこだわり ラバーダム防湿

ラバーダムをおこなうだけでなく、隙間を埋めて外科手術のように術野を消毒します

そして決められたプロトコルにのっとって治療をすすめていきます。

専門医が無菌環境に細心の配慮をおこないながら治療をしても、もちろんなおらない場合もあります。

ですので、無菌的環境を整えないでおこなわれた根管治療は成功率はもっとさがることが予想されます。

 

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