●根管治療後の違和感、不快感〜残髄について〜

2013.07.20 | 根管治療後の違和感 |

こんにちは、李です。
毎日暑いですね
気がついたら7月ももう後半ですね。早いです。
最近街中で浴衣をきた女性や、真っ黒に焼けたお子様をよくみかけます。
そして夏休みなんだな〜、と気がつきます。
夏休みっぽいことを、自分もしたいなと思いますが結局何もやらずに毎年夏が終わります。
せめて今年は浴衣でも着て(もう何年も着てませんが)雰囲気を味わいたいです

さて、先日所属する根管治療のスタディーグループPenn Endo Study Club in Japanhttp://pescj.org/に参加しました。早いもので現在5期生が受講しています(私は3期生です)。
懇親会でいろいろな先生から『ブログを拝見しております』と言われました。
患者様だけでなく、同業の先生方も見ていただいていると思うと、へたなことは書けないと、ひしひしと責任感を感じます。
他では得られない情報や正確な情報を発信できるように、頑張っていこうとまたやる気がみなぎってきました

さて、今日からまた違うテーマでお話をしていこうと思います。
テーマは『根管治療後の違和感』についてです。(Thanks to Dr.O!!)
根管治療のあとに違和感が続いてる、ものすごく痛くはないけども前とはちがう、というお悩みを良く耳にします。
そんな症状に対して、どんな原因が考えられるでしょうか?
数回に分けて考察していきたいと思います。

最近、患者様に、『先生、痛みの原因、違和感の原因は残髄ではないですか?』
と聞かれることがありましたので、今日は残髄についてお話していこうと思います
残髄とは、根の中に神経、または神経の残骸が残っているというイメージの言葉です。
リーズデンタルクリニックの患者様は、根管治療についてかなり詳しく調べていらっしゃるので、こういう言葉をご存知で、たまに驚かされます

残髄はいけないのか?
残髄のせいで、根管治療のあとに違和感や痛みが残るのか?

皆様にまずお話しておきたい事は、虫歯がない健康な歯の根管には細菌はいません。

健康な無傷の歯の神経の断面写真
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虫歯菌や、その他の要因(力やひびの問題など)の影響で神経に炎症がおきます。
神経に炎症が起きると、凍みたり、ズキズキしたり、違和感や、痛みなどの症状もでてきます。
でも、初期の炎症の段階で、これらの原因を取り除いてあげれば神経の炎症はおさまり、もとの健康な神経に戻ります。(この段階の治療が虫歯治療や噛み合わせの治療です。神経を保存する治療)

でも、炎症が長引いて神経の生命力を超えてしまうと神経は死んで行く方向にいってしまいます。
この段階までくると虫歯等の原因を取り除いても神経はもう健康には戻れないのです(なので、痛くなってからの歯の治療はおすすめできません)。
こうなってくると、神経を取る治療、抜髄治療が必要になります。
この時点ではまだ根管の中の感染レベルはとても低いので、いかに、根管を感染させないで神経を取るか、が最重要ポイントになります。
ラバーダムをかけないと、唾液から根管の中に細菌感染してしまいますし、治療で使う器具が完全に滅菌されていないと、器具からも細菌感染がおこります。(消毒、殺菌レベルではダメです滅菌です滅菌は完全に細菌がゼロですが、消毒、殺菌レベルだと細菌はゼロでないのです

根の病気、根尖性歯周炎は細菌が原因でおこります。
なので、神経が残っていたとしても、細菌が存在しなければ問題ないのです。
実際、根管には横道(側枝)があります。この側枝の部分の神経は取る事ができないので、ほとんどの歯が残髄していることになります。神経を取る場合も根の尖端から、引き裂くようにとっていますので、ひきさいた切れ端も必ず残っています。
ですので、残髄がいけないのでなく、この残った神経に細菌感染が起こる事がいけないのです。
細菌の栄養源にもなりますし、細菌が繁殖する温床になります。

感染根管の断面写真
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ですので、抜髄治療で無菌的な環境で治療をおこなえば(虫歯を見落としなく綺麗にとること、ラバーダム、隔壁、適切な濃度の消毒、殺菌、滅菌された器具の使用など)論理的には根管内への細菌感染がおこる可能性はとても低いのです。なので、抜髄治療は再治療に比べて成功率が高いのです。(再治療はもうすでに根管内に感染が蔓延してしまってますからね

ですので、今日の考察のまとめとして、
『根管治療後の違和感、悪いのは残髄でなくて細菌』です。

長くなりましたが、本日は根管治療後のながびく違和感、不快感の原因の一つとして、根管の感染についてお話してみました

次回のブログではその他の要因について考察していこうと思います。