●根管治療後の違和感、不快感〜根管充填剤の飛び出しについて〜

2013.07.27 | 根管治療後の違和感 |

こんにちは。李です。
7月ももう終わりに近づいてきていますね。皆様は夏を満喫されていますか?
私は全然です
せめてビアガーデンでも行きたいなと思っておりますが、まだ行けていません。
今日、明日とお祭りをやっているところ、多いですよね。クリニックのある芝浦も昨日夜からお祭りをやっていて、夏休みムード満点でした
明日は私も妹と近所の公園でやっているお祭りにでかけてみようと思います

さて、前回にひき続き、『根管治療後の違和感』について考察していこうと思います。
一番の原因として考えられるのは、前回お話した細菌感染です。
今日は『根管充填剤の飛び出し』についてお話していこうと思います。
根管充填剤とは、神経を取って空洞になっている根管を密封していくお薬です。
通常、ゴムのような素材の芯と練ったお薬をからめて高温で軟化させながら圧を加えることで、根管内が密封されます。
圧をかけないと密封できないのですが、根の尖端に病気(根尖性歯周炎)があると、圧をかけたときにお薬が飛び出しやすいのです。
日本では、一昔前は根の外に飛び出して根管充填した方が治るとか、良いとか言われてました(何の根拠があってかはわかりませんが)。今でもそのように思われている先生もいらっしゃるかもしれません。
でも、根管充填剤は体にとってれっきとした異物です。
ですので、根管充填が飛び出した歯の根の周りにはずっと異物反応がのこり、慢性炎症が持続します。これは、いろいろな論文で、組織切片が観察されていて証明されています。興味がある方は、こちらの論文をお読みください。とても勉強になります
Ricucci D. Apical limit of root canal instrumentation and obturation part 1: literature review. Int Endod J 1998;31:384-93.
Ricucci D. Apical limit of root canal instrumentation and obturation part 2: a histological study. Int Endod J 1998;31:394-409.

ただ、病気が治る、治らないは別の話です。
病気は細菌がいなくなればなおります。なので、薬がとびでても、細菌が少なくなっていれば、病気は治り、症状も改善します。
でも、なるべくなら、異物反応も起こさせない方がより良いのです。
異物反応による慢性炎症は、痛み等の症状はほとんどなかったり、あってもしばらくすると落ち着いたりします。

でも、そもそもこの根管充填の材料が感染していたり、根の中の細菌を十分にとりきれていない状態で根管充填をして飛び出してしまった場合は、異物反応よりももっと悪いことがおこります。
病気が治らない、違和感が続く、痛くて咬めない、などなど…
そういうことを考えると、無菌的な処置がいかに大切かということです。

前回もお話ししましたが、無菌的な処置じゃない治療とは
①ラバーダムをかけない→唾液から根管の中に細菌感染してしまいます。
②治療で使う器具が完全に滅菌されていない→器具からも細菌感染がおこります。(消毒、殺菌レベルではダメです滅菌です滅菌は完全に細菌がゼロですが、消毒、殺菌レベルだと細菌はゼロでないのです)
です。

その上で、根管治療後、根管は密封しなければいけません。
密封するには圧をかけなければいけないので、病気のある歯は病気の部分の骨がとけてスペースがあるので、そこにお薬がにじみ出やすいのです。
なので、本当は飛び出さない方が良い、でも出てしまうときは出てしまいます。
無菌的処置で細菌が減っていれば、病気は治ります。

以下に私のおこなった治療でお薬はとびでているけども、治癒している症例をお見せします。

下の写真は根管充填直後です。のところが根尖性歯周炎(病気)の部分です。お薬もとびでています。
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下の写真は治療後1年以上たった経過のレントゲン写真です。根尖性歯周炎が(黒い陰)は小さくなり、治癒してきているのがわかると思います。
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もちろん、患者様の不快症状も改善しています。

今日のポイントは、根管治療後の違和感、根管充填剤の飛び出しで、組織的には異物反応がおこり慢性炎症がのこります。でも、もっともっと悪い事、病気の治りに大きく影響するのは細菌、そして無菌的環境で治療がおこなわれているかどうか、です。理想的なのは『無菌的環境下で細菌を効果的に減らし、なおかつ根管充填のお薬もとびでないこと』でした(でも、病気が大きいときなど、圧をかけると、どうしても出