根管治療後の痛み 〜①治療前は痛みがなかったケース〜

2015.03.08 | 根管治療, 根管治療と痛み |

根管治療後の痛み についてシリーズで書いていこうと思います。

 根管治療 後も痛みが続き、お悩みの方は多くいらっしゃることと思います。

それどころか今までは痛みがなかったのに治療をしてから歯の痛みに悩むようになってしまった、というケースもあります。

なぜ根管治療をした後に歯に痛みが残るのか?

 

痛みにはいろいろな原因が考えられ、答えは一つだけではありません。

3回にわたって痛みがおこる例をあげ、痛みの原因を解説していきます。

これら複数の原因をクリアしてもなお、痛みが続く場合はもはや治療した歯が痛みの原因ではないことも考えられます。

 

ケース1: 根管治療前には痛みがなかったのに、治療してから痛みがでるようになったケース 

『銀歯がはずれ歯医者さんに行ったら、深い虫歯になっていて神経を取る根管治療を受けました。治療前は歯に痛みはなかったのに、治療後から痛みに悩むようになりました。ずっと痛みが取れず、この先痛みがおさまるのか不安です。』

神経をとる抜髄治療や再治療で、もともと痛みがないのに治療後から痛みだし、痛みが長引くケースでは根の中に細菌が入りこんでしまった可能性が考えられます。

ラバーダム防湿をおこなわない根管治療、無菌的環境で治療されていない場合は、治療中にお口の中の唾液や歯の周りの歯垢(プラーク)から根っこの中に細菌が入ってしまうのです。そうすると根尖性歯周炎という炎症の病気がおこり、この炎症が原因で痛みの症状が長引く可能性があります。(*治療後は、歯に刺激が加わるために一過性に術後の痛みが起こることがあります。これは細菌性の炎症による痛みとはちがって、通常3日程度で落ち着く痛みです。それより長引く痛みの場合は細菌感染を疑います) 

このようなケースでは無菌的な環境で、以下のことに気をつけて治療をしてあげると1回目の治療後から痛みがなくなるケースも多いです。

大切なことから順番に説明します。 

①治療中に、根の中に細菌が入らないように注意する。

→ラバーダム防湿をおこない、無菌的な環境での根管治療、つまり根の中で使用する器具はすべて滅菌済みのものを使う(消毒や殺菌だけでは不十分です)

根管治療 痛み 5 

 

②治療と治療の間にも根の中に細菌が入らないようにする

→唾液がにじまないよう、硬い素材で分厚く蓋をする(すぐ取れる蓋はダメです!!)

 根管治療 痛み 3

③虫歯を見落とさない

→歯に虫歯が残っていると、その虫歯から根のなかに細菌が入ります。虫歯が残った状態で根管治療がなされている歯のなんと多いことか!!

 

根管治療 痛み 2

 

④歯の根っこの中をしっかり殺菌する         

→機械を使った根の中のおそうじ、殺菌効果の高いの薬液を根の循環させる、治療と治療の間の期間も殺菌の薬が効果を発揮でるように根の中に純度の高い殺菌のお薬をいれる。

⑤細菌が繁殖をつづけるための栄養の供給源を見逃さない

→細菌の栄養 (神経の死骸など)になるものがどこかにある場合は、細菌が増える要因となります。つまり、炎症が進行し、痛みがでる場合があります。

根管治療 痛み 原因

 

①〜③がかなり重要です これができていないと、④で殺菌を一生懸命おこなっても常に細菌が入ってしまうからです。

細菌がいなければ炎症はおこりません。残った神経が悪いのではなく、神経を栄養として繁殖する細菌の存在が悪いのです。炎症が持続し、根管治療後の痛みが発症、または続いてしまうのです。

根管治療とは本来、細菌が根っこのなかに入らないように細心の注意を払って治療を行わなければいけません。

 

次回は別の痛みのケースを例に、正しい根管治療がなされても痛みがおさまらない場合についてご説明していきます。

痛みにはいろいろな要因があり、ひとつひとつ問題をクリアしながら痛みの原因をさぐっていかなければいけない場合もあります。

今回の記事が根管治療後の痛みで原因がわからず不安になっていらっしゃる患者様に少しでも役立てば幸いです。