●根管治療の難症例ってどういうの?

2013.12.17 | 根管治療 |

皆様こんにちは。
日々のお仕事に追われ、ブログのアップのペースが落ちています。すみません

やっと師走らしく、寒くなってきて年末感が感じられるようになってきましたね。
今年もあときっちり二週間ですね。忘年会シーズンで胃腸を弱めやすいと思いますが元気に年を越せるように頑張りましょう

さて、今日はまた根管治療のお話です。
このブログでは根管治療にまつわるいろいろなトピックを、時には専門的に、時にはわかりやすくかみ砕いていろいろな切り口からお話できればいいなと思っております。

最初にこのブログをはじめた時には、私が診療室で患者様にカウンセリングをおこなうときに、病気のことや、治療法、なぜなおらないか、治療のリスクなどなどを、なるべくわかりやすく説明する感覚で、ブログでも情報公開したいなと思ってはじめました。
いろいろ重複しているお話もあるとは思いますが、そこはご容赦くださいね

今日は根管治療で問題を抱えている患者様の個々の歯の状態について、特に、難症例と言われる状態についてをご説明していきたいと思います。(この、難しいという意味は、今回は治りにくい、治療が難しい、歯の余命が短そう、などなどいろいろな意味合いを含みます。)

なるべくわかりやすいように、レントゲンではなくイラスト化してみたのでそちらを見ていただきながら、ご説明していきますね。

下のイラストの左側をご覧ください。
これが正常な根管の形のイメージです。右側のイラストが、根の先端(根尖孔、Apexなどと言います)が太くなっている状態です。なんでこういうことがおこるかというと、以前の根管治療で、根の先端の部分をいじられすぎていて(拡大されすぎている、などといいます)で、通常の、もともとの穴(根尖孔)のサイズが壊れてしまっています。この状態は、穴のサイズが壊されていないよりも治りが悪くなりますし、根管充填のお薬も飛び出しやすくなったりします。
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私が所属するPESCJでは米国ペンシルバニア大学の歯内療法学科とのコラボレーションのもと、コンセプトを守り治療をおこなっています。
PESCJはこちら
http://www.pescj.org/

コンセプトのうちの一つに、この根の穴(根尖孔)を破壊しないよう、極力さわらないようにということがあります。
そのためには、正確に長さを計測し(機械とレントゲンのWチェックをおこなっています)、ー1mmの位置で作業するようにしています。
こういった、患者様の目には見えない数々の治療コンセプトをきっちり守って根管治療を行っていくことが、治療を成功させる上でとても大切なのです

このように治療をおこなっていくと根管充填材の位置もマイナス1mmのところで、ぴったりと止まります。
根管充填材の位置と、歯の予後を研究した論文があります。
Sjogrenら(1990) の論文 Factors affecting the long-term results of endodontic treatment.J Endod. では、歯髄壊死のケースの根管治療で根管充填が根尖から0~2mm以内が一番成功率が高く(94%)根尖から2mm以上はなれて根管充填された歯の成功率は68%, 根の先に根管充填がとびだした、いわゆるoverfill は76%の成功率と報告されています。

また、Hoskinsonら(2002)の論文 A retrospective comparison of outcome of root canal treatment using two different protocols. ooo, では
根尖孔のサイズが小さいほど、より成功すると報告されています。

次に、違ったタイプの難症例です。
下のイラストの左側をご覧ください。これは以前の治療で、本来の根管の道とは違う方向に道ができてしまった歯です。
軌道修正をおこない、本来の根管の道にもどしてその部分を殺菌したくても、道がみつけにくかったり閉じてしまっていたり、わからなくなってしまっている場合が非常に難しいのです。
次に右側のイラストをご覧ください。こちらはパーフォレーション、穿孔と言われる状態です。こちらも方向を誤って、すすめて、穴があいてしまう状態です。タービンなどの良く切削される器具を使用して削ると起こりやすいですが、どうしてもタービンが必要な場合もあるので難しいところです。治療に伴うリスクは常にあるので、そのことを事前に患者様に良くご説明するのが大切だと思います

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次のイラストに行きましょう。左側は根の病気、根尖病変が大きい状態です。大きい方が予後が悪いという報告は多くあります。
次に右側のイラストで