LEE'S ブログ

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根管治療に関する記事を中心に、専門的ながら大切なことを治療例をまじえて、一般の方にもわかりやすく解説しています。
ありきたりな内容ではなく、欧米の論文を精読した内容をベースに信頼性のある有用な情報を発信するよう努めています。疑問に思ったことは徹底的にリサーチします。学会参加報告記や、お知らせ、プライベートのくだらないお話もごくたまに、綴っております。

根管治療のリスク〜ファイル破折②感染根管治療〜

こんにちは。李です。早いもので8月ももう終わりますね。あっというまです。

さて、本日は前回に続き根管治療のリスクであるファイル破折の続きについてお話ししていこうと思います。

前回は抜髄治療(神経をとる治療:根の中に細菌が蔓延していない状態)でファイル破折が起こってしまった場合についてお話しました。

抜髄ケースでは折れたファイルが汚染していない限りは根の中に残ってしまっても大きな問題にはなりません。

では感染根管(根の中に細菌が蔓延して、根っこの病気ができている状態)でファイル破折が起きた場合は?

本日は感染根管(すでに根っこの病気ができている場合)でのファイル破折についてです。

感染根管の治療中に折れてしまう場合、また、もともと折れたファイルが残っている歯を治療する場合があります。

どちらにしても、超音波の振動で揺らしてすぐに取れるような場合は取りますが、食い込んでいるために周りの歯を大幅に削らなければならないようなケースでは歯が割れやすくなるため何がなんでも取るということはおすすめしません。

折れたファイルが感染根管に残ったままで良いのでしょうか?

残ったままだとどういうマイナス面があるでしょう?

 

感染根管の治療で折れたファイルが残ったままだと以下のマイナスな面があります

①折れたファイルより先は殺菌が届かないため、手前までの殺菌しかできない

②折れたファイル自体が汚染している場合は、汚染が残ります。

この2つの問題のせいで病気が治りにくくなる可能性は高まりますが、絶対になおらない、というわけではなく、根管治療で根の中の細菌が相対的に減ることによって治ることも多いのです。

 

もともとファイル破折のある感染根管:折れたファイルが残っていても治癒した一例

 

ファイル破折は根管治療をする上で起こり得るリスクのうちの一つですが、この症例は折れてるだけでなく、根っこの先端から飛び出しています(赤→)。根の周りを取り巻くように大きな病気があります(黄色

治療前のレントゲン写真

このような場合、根管治療で取り除くことはできません。

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根管治療中のレントゲン写真(右)

この歯は全体的な汚染も多く、通常通りの根管治療で殺菌をおこない根管充填をしました。経過観察をして、病気が治らなかったら外科的に治療をおこなう方針です。

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根管充填3ヶ月後。折れたファイル(赤→)は取れなくても、根管の殺菌処置で細菌が減っているため治療前と比べ、病気が小さくなってきています(黄色

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治療後1年経過のレントゲン写真

折れたファイル(赤→)は取れなくても、根管治療だけで病気がほぼ無くなっています(黄色

外科的な治療をしなくても治癒した一例です。

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今回ご紹介したケースは根管治療だけで治癒したケースですが全てがそうではありません。

外科的な処置が必要な場合もあります。まずは根管治療をおこない、治るかどうかを経過観察する必要がありますので、治療前に判断することはできません。

これはファイル破折のない歯でも同じことです。根管治療の成功率は感染根管、再治療の歯では約70~80%だからです。

 

ファイル破折、リーマー破折と言われる問題について2回にわけてご説明しました。

ファイル破折が起こっても、あまり心配なさらずにいてください。問題ない場合も多いですし、問題がある場合も専門医のもとで最終的には解決可能なことが多いのです。

 

 

 

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