●根管治療、成功率に影響をあたえる因子 

2013.11.25 | 根管治療の成功率 |

こんにちは。李です。
昨日の雨風、すごかったですね
一瞬で傘が折れてしまい、びっくりしました。
今日はお天気回復して、よかったです

さて、先週末はPESCJに参加してきました。受講生のプレゼンテーションやディスカッションを聞いていると、とてもモチベーションがアップします
PESCJのメンバーにもジョギングを習慣的におこなっている先生が結構いらっしゃいます。
健康の話題も熱いトピックのうちの一つです

さて、今日は歯の話、根管治療の話に戻りますね。
開院してから3年半以上、根管治療にお悩みの患者様の歯を毎日いろいろ診させていただいてます。
根管治療が必要な歯、といっても個々の歯の状況はそれぞれです。

状況によって、治療が成功しやすい、成功しいくい、ということがあります。
初診の診査では、 この個々の歯の状況をできるだけ正確に把握するように心がけています。
初診での診査でわかることは、 どの歯が痛みの原因なのか、 根尖性歯周炎(根の病気の)有無、大きさ、虫歯の有無、神経の炎症の有無、レベル、以前の治療の質、治療の難易度、歯の厚み(ある程度)、歯肉に異常があるかどうか、歯周ポケットの深さ(原因はこの段階ではわかりません)。成功しやすい歯か、しにくい歯かの予測をしていきます。

このブログでも何度かお話してますが、初診での診査よりも、より詳しく歯の状態を診査するためには現在入っているクラウンやインレー、コア、ポストをはずして評価する必要があります。
はずしてわかる情報が何かというと、
虫歯をじかに目で確認できる。虫歯をすべて取り去り、残った健康な歯の質がどれくらいか(薄いか厚いか)、ひびのチェック、詳しく歯周ポケットの検査が可能。
というように、歯の質の診査が可能です。このことで、歯の長持ちの予測もたてられます。あまりに薄い歯、治療不可能なひびがある歯、歯肉縁よりも下の方まで虫歯が進行している歯は、写真をとってご説明します。そして、根管治療しても長持ちしない可能性、または治療不可能などをご説明し、治療をせずに放置する、または抜歯という選択肢について患者様とご相談いたします。

このように、個々の歯がかかえる多くの問題の中に、根管治療の成功率(根尖性歯周炎の治癒)に関わる因子はいろいろあります。この根管治療の成功率にあたえる影響は多くの論文で研究されており、その中でもコンセンサスが得られているもの一つが、術前の根尖病変の有無(もともと根っこに病気があるかどうか)と、病気の大きさです。

治療する歯にもともと根の病気があるかないか、って実際レントゲンでどのような感じなのか見てみましょう

赤丸の部分をご覧ください、この状態が根の病気があるレントゲン像です。
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次のレントゲンは大きさは小さいですが、若干陰があります。
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下2枚のレントゲン写真は術前に根の病気がないものです。
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レントゲン上で陰ががないから、病気がないから、といって中に感染がない訳ではありません。
実際治療をすると汚染していることもあります。また、その歯の治療をおこなった時期にもよります。最近の治療であれば今は陰がなくても、根の中に感染があれば後にレントゲン上で陰ができてくる可能性は高いです。
ただ、治療をしていて病気の陰が大きい方が汚染の度合いが高いなという、実感はあります。

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根管治療の予後に影響を与える因子について研究した論文をひとつ紹介します。
Hoskinson SE, Ng YL, Hoskinson AE, Moles DR,Gulabivala K: A retrospective comparison of outcome of root canal treatment using two different protocols. ooo, 93(6):705-715, 2002.

この論文はretreatment とinitial treatment両方が対象になってますが、根管治療専門医が治療をおこなった200本の歯の4〜5年の予後調査を行っております。
性別や年齢、歯の種類、術前の神経の状態、再治療かどうか、術前の根の病気の有無、サイズ、そして治療方法によって予後に変化があるかどうか、などをいろいろな因子の影響を調査しております。ご興味のある方は読んでみてくださいね。

ちなみに、この論文での術前に根の病気がある歯の成功率は74%、無い歯は88%となっております。

以上、本日は根管治療のお話でした。
12月も歯のお話を続けて行く予定です。よろしくお願いします