マイクロスコープを使用する歯根端切除術と肉眼での歯根端切除術の違いは?

2016.05.01 | 根管治療, 歯根端切除術 |

こんにちは。李です。

今年に入り、マイクロスコープを使った歯根端切除術をおこなう頻度が多くなっています。

4月におこなった3名の患者様の手術のうち2名の患者様は以前に他の歯科医院でも手術をおこなっていらっしゃいました。

そして1名の方は今年の1月に手術をおこなったにもかかわらず、一ヶ月後に症状が再発しています。

当院で手術をおこなう患者様の中には、以前に一度、歯根端切除術(Micro Apical Surgery)を受けている方が多いのです。

ただし、それはマイクロスコープを使った歯根端切除術ではありません。

 

当院のHPの歯根端切除術のページでご説明しているように、 肉眼での歯根端切除術は59%、 マイクロスコープを使った歯根端切除術は94%の成功率と報告されています。(Setzer FC et al. 2010)

マイクロスコープを使用する手術方法の方がはるかに成功率が高いのです。

 

どうして、通常の手術は成功率が低いのでしょうか?

歯根端切除術は、根管治療でなおらなかった根っこの病気を治すための次のステップで、名前の通り根っこの先(歯根端)を切り取ります。

根の先に、根管治療で殺菌が届かない部分が多いので、根の先端を切ることでその部分を根こそぎ取り去るイメージです。

けれども、切っただけでは本当に感染部分が全てとれたかどうか、わかりません。

切った後に、その断面を観察して、感染源の取り残しをチェックしないといけないのです。

根の中の感染が病気のそもそもの原因なので、切った後にも感染源が残っていた場合は、病気は治りません。

 

以前のブログで説明に使用した、根の断面の写真です。

黄色矢印のところが感染源の部分です。せっかく手術をして根っこを切断しても、確認をするとこういう部分が残っていることが多々あります。

切っただけでは治らない、原因の一つです。

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根の断面を観察し、感染の取り残しがないか確認することは、手術の成功に関わる非常に大切なステップなのです。

 

では、どうやって観察するのでしょうか?

根の断面の観察は肉眼では不可能です。

顕微鏡を使用し、拡大した状態で観察する、直接見えないところは、顕微鏡手術専用のマイクロミラー(直径3~5mmくらいの大きさです)を使用して観察するのです。

 

真ん中が普通の歯科用ミラーでで、両脇のものがマイクロミラーです。比較すると大きさの違いをわかっていただけると思います

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また、観察する前にはしっかりと止血をしないといけません。

止血ができていないと血が滲んできちんと観察することができません

 

下の写真は、当院でのマイクロスコープを使った歯根端切除術(Micro Apical Surgery)で、感染がのこっていないかをチェックしている様子です。

止血をした後に、感染部分が残っていないかを確認するため、染め出しをおこないます。

 

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染め出しをおこない、根の断面を確認すると、ひびがが染まってきました。このひびが残っている限り、病気はなおりません。

肉眼でのの歯根端切除術では、こういった観察は不可能ですので、治らない原因を見落とすことになります。

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このようにひびが見つかる場合はひびがなくなるまで、根を削っては染めて確認、を繰り返します。

根っこはどんどん短くなりますので、削ることにも限度があります。それでもひびがなくならない場合は、最終的には助からない(つまり抜歯)ということになります。

 

こちらはマイクロミラーを使って切断面を確認しているところです。上の写真と比べてみてください、根の断面にひびはなく問題ない状態です。

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このように、マイクロスコープを使用した歯根端切除術では、病気の原因である感染源のチェックを必ず行います。

この手術方法は、マイクロスコープや専用の特殊な器具を使います。また手術のためのトレーニングをある程度積まないと行うことができません。

また、アシスタントの動きも非常に重要です。歯科医もアシスタントもしっかりトレーニングを積んだ上で行わないと、手術がうまくいかないのです

 

同じ手術でも患者様にとっては、何が違うのかはわからないことが多いとおもいます。

次回も、この後の引き続きの処置をご説明しながら、マイクロスコープを使用した歯根端切除術と肉眼での歯根端切除術の違いについて、なるべく分かりやすくご説明していこうと思います