マイクロスコープを使用した歯根端切除術はどういう時におこなう手術なのか?

2016.03.22 | 根管治療, 歯根端切除術 |

こんにちは。李です。

やっと暖かくなってきましたね、桜の蕾もふっくらしてきて、開花が楽しみですクリニックからすぐ近くの東京駅から茅場町まで続く桜通りの桜は毎年楽しみにしています。

満開になったらブログに写真をアップしようと思います。

 

さて、今日はマイクロスコープを使った歯根端切除術、についてお話しようと思います。

根っこの病気(根尖性歯周炎)にかかっている歯は根の周りに炎症がおこります。

 

レントゲン検査で緑→のようにうつります。

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これは、根の中に細菌が蔓延しているためにおこる病気です。

ですので、根管治療とは、殺菌と細菌の栄養源になるものを取り除く治療なのです。

治療の時に細菌が根の中に入らないように細心の注意を払いながら、おこなわないといけません。

殺菌の薬がしっかり届くように根の穴(根管)をある程度広げます。

 

治療途中のレントゲン、根の長さや形を見るために撮っています

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そして殺菌が終了した根の中には根管充填といって穴を封鎖するお薬をつめます。

根管充填後のレントゲン

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けれども、根の中の殺菌をおこなう根管治療で根っこの病気(根尖性歯周炎)が100%なおるとは限りません。

 

なぜ治らない??

通常の根管治療では根の中に蔓延した細菌を完全に取り除くことはできないからです。

これは根管治療がうまくいっていないからではありません。

きちんとした手順、無菌的環境下で治療をおこなっても、根っこの中には殺菌が届かない場所があるからなのです。

但し、無菌的環境でおこなっていない根管治療は、殺菌が届かない以前に、根の中の細菌をより増やしてしまっている可能性があるので、これはよくないです

 

根管治療で殺菌がとどきにくいところは?

 

下の写真は奥歯の根っこをカットした断面です。ピンクの部分が根管充填のお薬です。

矢印の部分をご覧ください。すべて殺菌が届か届いてない部分です。

 

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部分は根と根の間の横道のようなもの(イスムスといいます)で、根の先端の方のイスムスはマイクロスコープでも見えませんし、

器具も届きませんので、殺菌が届きません

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このように根の中には殺菌が届かない部分があることを、ご理解いただけましたでしょうか?

 

 

根管治療では確実に細菌の量を減らすことができますし、細菌が減れば体の免疫力で病気はなおりやすくなります。けれども、殺菌できる範囲は根の中の全てではありませんので、殺菌できなかった箇所に病原性の高い細菌がすみついていたり、細菌の栄養源が残っていたりすると、病気がなおらないこともあります。

ですので、一度細菌が蔓延した歯の根管治療は、神経を取る治療(細菌が蔓延する前に行う根管治療)よりも成功率が低くなるのです。

専門医がおこなう再治療の成功率は70~80%と報告されております。

神経を取る治療で、細菌をいれないように細心の注意を払った無菌的な根管治療をおこなうことが、いかに大切かもわかっていただけるかと思います。

 

根管治療で治らない場合、次の一手としておこなうのがマイクロスコープを使った歯根端切除術です。

根管治療の最後の頼みの綱とも言えます。

歯根端切除術では、歯肉を切り、その下の骨に穴をあけ、歯の根を切断して殺菌が届かない部分を根こそぎ取り除きます。

(患者様にこのお話をすると、皆様怖がって手術はやりたくない、という風に言われます

根管治療で殺菌が届かなかった部分を根こそぎ取るため、手術をおこなう場合の成功率は90%以上になります。

実際に、根管治療後、症状は治療前より良くなってるのだけど、すっきりせず、たまに違和感や歯肉を押すと変な感じがする、等完治していない場合も

手術を行った後はまったく症状がなくなりすっきりした!という声が多いです

 

この歯根端切除術はマイクロスコープを使用した方法と、肉眼でおこなう方法では成功率がだいぶ違います。

マイクロスコープを使用した方法の方が格段に成功率が良いのです。

次回からのブログでは、マイクロスコープを使った歯根端切除術と肉眼でおこなう通常の歯根端切除術の違いを解説していきますね